パキスタン外相 経済混乱の中 “ロシアとの関係強化 必要”

来日しているパキスタンのブット外相がNHKの単独インタビューに応じ6月、ロシアから原油の輸入を始めたことについて、あくまでも国内のエネルギー危機に対応するためだとした上で、経済の混乱が続く中、ロシアとの関係強化は必要だという考えを示しました。

1日から来日しているブット外相は2日、都内でNHKの単独インタビューに応じました。

パキスタンでは去年の大規模な洪水以降、深刻な外貨不足や、インフレに直面するなど、経済の混乱が続いています。

また、6月には新たにロシアから原油の輸入を始め、ウクライナへの侵攻をめぐって欧米の経済制裁を受けるロシアに接近したと指摘されています。

これについてブット外相は「エネルギー危機に直面するいま、われわれの目標は国民からのエネルギー需要を満たすことであって、誰かから誰かに輸入をシフトすることではない」と述べ、あくまでも国内のエネルギー危機に対応するためであることを強調しました。

一方で「ロシアとの関係は前向きに進んでいて、ますます強固になることを望んでいる」と述べ、経済の混乱が続く中、ロシアとの関係強化は必要だという考えを示しました。

その上で「パキスタンはほかの国のように特定の枠組みに入ることは望んでいない」とも述べて、ロシアだけでなく欧米諸国との関係も重視していく姿勢を強調しました。

ブット外相は3日、林外務大臣と会談を行ったあと、午後には岸田総理大臣を表敬訪問する予定です。