米有力紙「ウクライナ 領土取り返し年末までに停戦交渉計画」

アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは、CIA=中央情報局のバーンズ長官が6月、ウクライナを極秘に訪問した際、ウクライナ側が反転攻勢によってこの秋までに領土を大きく取り返し、ロシアが一方的に併合したクリミア半島に迫った上で、ロシア側との停戦交渉に持ち込む計画を明らかにしたと伝えました。

ワシントン・ポストが6月30日、複数の関係者の話として伝えたところによりますと、アメリカ・CIAのバーンズ長官はロシアで武装反乱が起きるより前の6月、ウクライナの首都キーウを極秘に訪問し、ゼレンスキー大統領や政府高官などと会談しました。

この際、ウクライナの戦略立案担当者らは、反転攻勢によってこの秋までにロシア側から大きく領土を取り返し、大砲やミサイルシステムをクリミア半島との境まで移動させた上で、年末までにロシア側と停戦交渉を開始する計画を明らかにしたということです。

2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島は、ロシア海軍の黒海艦隊が拠点を置くなどロシアにとって戦略的に重要な場所で、ウクライナ側は半島を孤立化させることで、ロシア側が交渉に乗り出さざるをえない状況を作り出そうと考えているとしています。

一方、アメリカ軍の制服組のトップ、ミリー統合参謀本部議長は30日、首都ワシントンで講演し、ウクライナ軍による反転攻勢について、「人々が予想したよりも進み方が遅いが、私は全く驚かない。6週間から10週間の時間を要するだろうし、多大な流血を伴う困難なものになる」との見方を示すとともに、「誰も幻想を抱いてはならない」と強調しました。