宇宙望遠鏡「ユークリッド」打ち上げ 100億光年先の銀河を観測

宇宙がどのように進化してきたのか探ろうと、100億光年先までの銀河を観測する宇宙望遠鏡「ユークリッド」が日本時間の2日未明、アメリカ南部のフロリダ州から打ち上げられました。

「ユークリッド」はESA=ヨーロッパ宇宙機関が中心になって開発した宇宙望遠鏡で、日本時間の2日午前0時すぎ、アメリカ南部フロリダ州にある施設から「ファルコン9」ロケットで打ち上げられました。

ユークリッドは宇宙空間を飛行しながら観測を行う望遠鏡で、口径が1.2メートルあり、可視光と近赤外線を観測できる2種類の装置を備えています。

これらの装置で100億光年先までの銀河を観測して巨大な地図を作り、宇宙の大規模な構造の進化の過程や、宇宙の膨張が時間の経過とともにどう変化してきたのか、明らかにすることを目指します。

そして、宇宙のあらゆる場所に存在すると考えられているものの、直接見ることも感じることもできない未知の物質「暗黒物質」=ダークマターや、宇宙を膨張させている未知の力「ダークエネルギー」の謎の解明に挑みます。

ユークリッドは当初、ロシアの「ソユーズロケット」で打ち上げる予定でしたが、ロシアがウクライナに軍事侵攻したことを受けて計画が変更され、アメリカのロケットが使われました。

今後、4週間ほどかけて、地球からおよそ150万キロ離れた地点まで移動し、およそ3か月後に観測を開始する予定です。