福島第一原発処理水の放出 国内外反応を見極め慎重判断 政府

福島第一原発にたまる処理水について、政府は、基準を下回る濃度に薄めて夏ごろから海への放出を始める方針です。国内外に反対や懸念の声があることから、安全性などの説明を尽くして反応を見極めながら、具体的な時期を慎重に判断することにしています。

東京電力福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は基準を下回る濃度に薄め、夏ごろから海への放出を始める方針ですが、国内の漁業関係者や周辺国からは反対や懸念の声が出ています。

こうした中、岸田総理大臣は29日、西村経済産業大臣や渡辺復興大臣ら関係閣僚と協議し、安全性の確保と風評対策の徹底に加え、丁寧な説明と情報発信を行うよう指示しました。

また岸田総理大臣は、来週から日本を訪問するIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長と4日に面会し、国際的な安全基準に照らした検証結果の報告書を受け取る見通しです。

政府は、IAEAによる検証結果を幅広い関係者と共有するとともに、政府による対応の安全性や風評対策の内容の説明を尽くして国内外の反応も見極めながら、放出開始の具体的な時期を慎重に判断することにしています。