アメリカのユネスコ復帰を承認 前政権時代に脱退

フランスのパリにあるユネスコ=国連教育科学文化機関の本部で30日、臨時の総会が開かれ、5年前にユネスコを脱退したアメリカの復帰が投票した加盟国と地域の3分の2以上の賛成を得て承認されました。

アメリカは2017年、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にしていたトランプ前政権時代に、ユネスコについて「反イスラエル的だ」などとして脱退する意向を表明し、翌年、正式に脱退しました。

ユネスコのアズレ事務局長は、6月、アメリカがユネスコに復帰する意向を示していることを明らかにし、29日と30日、復帰を認めるかどうかを協議する臨時の総会がパリにあるユネスコ本部で開かれました。

総会では各国が意見を述べたあと、30日に採決が行われ、投票した加盟国と地域のうち、ロシアや中国を除く3分の2以上の賛成を得て、アメリカの復帰が承認されました。

これにより、アメリカは7月にもユネスコに復帰する見通しとなりました。

バイデン政権はトランプ前政権が離脱した
▼地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」や
▼国連人権理事会などに復帰していて、
ユネスコへの復帰で国際協調を重視する姿勢を改めて示した形です。

ブリンケン国務長官「提案受け入れられ感謝」

アメリカのブリンケン国務長官は30日、声明を発表し「われわれの提案が受け入れられたことに感謝する」としています。

その上で「バイデン大統領が繰り返し述べているとおり、アメリカは世界と関わり、協力を模索することで、より強く、より安全になり、そして、より繁栄する」として国際協調路線を重視する姿勢を示しました。