現職の鳥取県議を逮捕 コロナ助成金 約1200万円を不正受給か

鳥取県の現職の県議会議員が、松山市の飲食店などと共謀し、新型コロナ対策の国の助成金およそ1200万円を不正に受け取るなどしたとして、詐欺などの疑いで警察に逮捕されました。

逮捕されたのは、
▽鳥取県の県議会議員、平井伸治容疑者(55)、
▽松山市のとんかつ店「清まる」を経営する水野清子容疑者(60)、
▽奈良市の飲食店従業員、大北益美容疑者(28)、
▽大阪 天王寺区の会社役員、立木晴樹容疑者(67)、
それに
▽松山市の会社役員、森亮一容疑者(45)の5人です。

警察の調べによりますと、5人は共謀のうえおととし8月ごろから10月ごろにかけ、とんかつ店が新型コロナの影響で従業員17人を休業させ手当を支給したなどとうその申請を行い、国の「緊急雇用安定助成金」およそ1190万円を不正に受給するなどしたとして、詐欺などの疑いが持たれています。

警察は捜査に支障があるとして、5人の認否を明らかにしていません。

議員は逮捕前、NHKの取材に対して「罪の意識はなかったが、今となっては悔やんでも悔やみきれない」などと述べ、うその申請を行ったことを認めていました。

警察は議員の身柄を鳥取から愛媛に移して、5人の関係や事件のいきさつについて本格的に捜査を進める方針です。

平井議員は、ことし4月の鳥取県議会議員選挙で初当選し、同じ日に行われた鳥取県知事選挙で5回目の当選を果たした平井知事と同姓同名であることが話題となりました

平井県議「今辞めるのは責任の取り方としては違うと思う」

鳥取県議会の平井伸治議員は逮捕前の28日、NHKのインタビューに応じました。

この中で平井議員は、県議会議員選挙に立候補する前のおととし、知人から紹介された水野容疑者の依頼を受けて、国の「緊急雇用安定助成金」を不正に受給するための書類の作成に関わり、報酬としておよそ80万円を受け取ったと説明しました。

平井議員は「店の規模を考えると申請する額がおかしいというのは感じていたが、当時は助けてほしいということだったので、罪の意識は全くなかった。今となっては後悔しているし、多くの人を裏切る形になってしまい、申し訳なく思っている」と話しました。

そのうえで、県議会議員を辞職するかについては「議員になったあとの事件であればすぐに辞めるべきだと思うが、今辞めるのは責任の取り方としては違うと思うし、投票してくれた3600人の票がむだになってしまう。議会を停滞させる事態は避けたいのでこれから考えたい」と述べました。