円安進む 一時1ドル=145円台に 約7か月ぶり

30日の東京外国為替市場、日本とアメリカの金融政策の方向性の違いから金利の高いドルを買って円を売る動きが進み、円相場は、一時、1ドル=145円台まで値下がりしました。
1ドル=145円台をつけるのは去年11月以来、およそ7か月ぶりです。

日本時間の29日夜、アメリカで発表された失業保険の新規申請件数が市場の予想を下回ったほか、ことし1月から3月のアメリカのGDP=国内総生産の確定値が上方修正されたため、アメリカでさらに利上げが行われるという見方が広がり、円を売ってドルを買う動きが強まっています。

市場関係者は「けさ発表された東京23区の6月の消費者物価指数の速報値が市場予想を下回り、日本の金融緩和の継続が意識されたことも円を売る動きにつながっている。ただ、政府・日銀による市場介入への警戒感も根強い」と話しています。

鈴木財務相「高い緊張感で注視 行き過ぎた動きには適切に対応」

鈴木財務大臣は、30日の閣議のあとの記者会見で「為替相場は、ファンダメンタルズ=基礎的要件を反映して、安定的に推移することが重要だが、最近は急速で一方的な動きもみられる」と述べました。

そのうえで、鈴木大臣は「政府としては、高い緊張感を持って市場の動きを注視している。行き過ぎた動きには適切に対応していく考えだ」と述べ、市場で進む円安の動きをけん制しました。