小田急線切りつけ事件 “自分だけが不幸 貧乏くじ引いている”

おととし、走行中の小田急線の車内で複数の乗客が切りつけられた事件の裁判で、殺人未遂などの罪に問われている被告本人への質問が行われ、「自分だけが不幸で、貧乏くじを引いていると感じ、劣等感が憎しみに変わった」と、いきさつを語りました。

おととし8月、東京 世田谷区を走行していた小田急線の車内で、複数の乗客が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った事件では、無職の對馬悠介被告(37)が、乗客3人に対する殺人未遂などの罪に問われています。

29日の裁判では被告本人に対する質問が行われ、事件に至るいきさつについて、「仕事を転々とする中で、周囲の人は幸せで、自分だけが不幸で貧乏くじを引いていると感じ、世の中が灰色に見えた。劣等感が人々への憎しみに変わり、事件の2か月ほど前から、渋谷のスクランブル交差点で爆弾を爆発させたり、カップルを日本刀で切ったりすることを考えるようになった」と述べました。

また、乗客を襲った時の状況については、「ターゲットに考えていたような幸せそうなカップルや女性はいなかったが、時間はかけられないと思い、近くにいたピンクの服を着た女性が目についたので狙った」と説明しました。

“被害者の調書読んで申し訳ないと思うようになった”

そして、弁護士から今の気持ちを問われると、「被害者の調書を読んで思いを知り、申し訳ないと思うようになった。自分勝手な怒りによって事件を引き起こしたことを罪深いと思っている」と話しました。