土曜にかけ大雨のおそれ 気象庁「災害起きてもおかしくない」

30日から7月1日土曜にかけて梅雨前線が南下して活動が活発になり、西日本から東北にかけての日本海側を中心に大雨となるおそれがあります。この数日の雨で地盤が緩んでいる地域があるほか、ふだん雨の少ない地域で雨量が増えると予想されていることから、気象庁は災害の危険性があるとして早めの備えを進めるよう呼びかけています。

気象庁予報課の立原秀一主任予報官は、大雨の見通しについて「前線に向かって湿った空気が流れ込むと予想されているが、その度合いが非常に高いのが今回の特徴だ。北陸や中国地方など、ふだん雨の多くない日本海側で総雨量が100ミリから200ミリと予想されていて、大雨による災害が起きてもおかしくない雨量だと考えている」と説明しました。

線状降水帯による大雨の可能性については「線状降水帯の予測は非常に難しく、現状ではまだ言及できる段階にはない。可能性が高まったと判断できたときは情報を発表するので今後の情報に留意してほしい」と述べました。

さらに、立原主任予報官は今月26日以降、全国的に雨が続き、土砂災害の危険度が高くなっている地域があると指摘し、梅雨前線が2日の日曜日以降も日本付近に停滞するとの見通しを示しました。

そのうえで、「6月下旬から7月にかけては例年、本格的な梅雨の時期で、大雨に対する危機感や警戒感を高めてほしい。お住まいの場所でどんな災害の危険性があるかや避難場所、避難経路についてハザードマップなどでいま一度確認してほしい」と呼びかけました。

警報級の大雨になる可能性がある時間帯は…

【九州 大雨長引くおそれ】
▽九州北部は、これから7月4日にかけてで、特に29日夜から7月1日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
▽九州南部は、30日朝から7月4日にかけて、警報級の大雨となる可能性があります。

【西日本 近畿で可能性高】
▽中国地方は、29日夜から7月1日にかけて、
▽四国は、7月1日に警報級の可能性があります。
▽近畿は、これから7月1日にかけてで、特に29日夕方にかけてと、30日朝から7月1日にかけて警報級の可能性が高くなっています。

【東日本 北陸・東海で可能性高】
▽北陸は、これから7月1日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
▽東海は、29日夕方にかけて警報級の大雨の可能性が高く、その後、30日朝から7月1日にかけても警報級の可能性があります。
▽関東甲信は、これから7月1日にかけて警報級の可能性があります。

【北日本 東北で可能性高】
▽東北は、これから30日明け方にかけて警報級の可能性が高く、その後、30日朝から7月1日にかけても警報級の可能性があります。
▽北海道は、これから30日明け方にかけて警報級の可能性があります。

早めの備えを

7月1日にかけて広い範囲で大雨のおそれがあり、九州を中心に来週にかけて影響が続く可能性もあります。
自宅周辺の災害のリスクや、いざというときの避難先や、ルートを改めて確認するようにしてください。

政府 情報連絡室を設置

西日本から東北にかけての日本海側を中心に、30日から大雨となるおそれがあることを受けて、政府は29日午後3時、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報収集と警戒に当たっています。