中国で「対外関係法」成立 “共産党の統一的な指導を堅持”

中国で外交の基本方針などを定めた法律が成立し、共産党の統一的な指導を堅持することが盛り込まれました。
国家の主権や安全を守ることも掲げられ、党による統制を強化することで習近平国家主席の意向をトップダウンで反映させる姿勢を鮮明にしています。

中国の全人代=全国人民代表大会の常務委員会では28日、外交の基本方針などを定めた「対外関係法」が可決・成立しました。

法律では、国家の主権や安全、発展の利益を守り、中華民族の偉大な復興を実現するという方針が示され、共産党の統一的な指導を堅持することが盛り込まれています。

そして、対立するアメリカなどを念頭に、中国の国民と組織の安全と正当な権益を保護し、国家の海外における利益を脅威と侵害から守るとして、必要な措置をとると定めています。

一方、外国人や外国の組織に対しては、中国の法律を順守し、国家の安全に危害を与えてはならないことも明記されていて、法律は来月1日施行されます。

中国では、改正された「反スパイ法」も来月1日施行される予定で、スパイ行為の定義の拡大に伴って、取締りのさらなる強化が懸念されています。

習近平国家主席への権力の集中が進む中、外交政策でも党による統制を強化することで習主席の意向をトップダウンで反映させる姿勢を鮮明にしています。

松野官房長官「引き続き関連の動向を注視」

松野官房長官は、午前の記者会見で「他国の国内法による影響について予断することは控えるが、中国国内の外国人や外交機関にも言及していることから、引き続き関連の動向を注視していく。いずれにせよ、去年11月の日中首脳会談でも一致したとおり、両国間の経済や国民の交流を後押ししていく」と述べました。