円相場(NY)一時144円台半ばまで値下がり 約7か月ぶりの水準

28日のニューヨーク外国為替市場では、金融シンポジウムで欧米と日本との金融政策の方向性の違いが鮮明になったことで円安が進み、円相場は一時、1ドル=144円台半ばまで値下がりして、およそ7か月ぶりの円安ドル高水準を更新しました。

28日のニューヨーク外国為替市場では円安が進み、円相場は一時、1ドル=144円台半ばまで値下がりしました。

1ドル=144円台半ばをつけるのはおよそ7か月ぶりです。

また、円はユーロに対しても売られ、円相場は一時、1ユーロ=158円台まで値下がりして、およそ15年ぶりの円安ユーロ高水準を更新しました。

28日にポルトガルで開かれた金融シンポジウムで、ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁や、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が利上げを継続する必要性を強調したのに対して、日銀の植田総裁は当面、金融緩和を続ける方針を示し、欧米と日本との金融政策の方向性の違いが鮮明になりました。

このため、円を売ってより高い利回りが見込めるドルやユーロを買う動きが出ました。

外国為替市場では円安が急速に進んでいて、日本政府・日銀がドル売り円買いの市場介入に踏み切るかどうかに関心が集まっています。

市場関係者は「日銀の植田総裁が金融緩和の修正について踏み込んだ発言をすると予想していた投資家もいたため金融緩和を続ける方針が示されたことで円安が進んだ」と話しています。