ウクライナ警察官 日本の警察から身元特定技術学ぶため来日へ

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで犠牲となった市民の身元の特定が課題となる中、ウクライナの警察官たちが来月日本を訪れ、東日本大震災で亡くなった人たちの身元確認を進めるなど数々の経験がある日本の警察から専門的な技術を学ぶことになりました。

ウクライナではロシア軍の攻撃で多くの市民が犠牲となっていますが、遺体の傷みが激しく身元の特定が難しい場合もあり、ウクライナの警察によりますと、ことし3月の時点で2800人の身元が分かっていないということです。

このため、関係者によりますと、身元の特定に必要な技術の向上を図るためウクライナ国家警察の警察官たちおよそ10人が来月上旬から来日し、日本の警察から研修を受ける予定であることが分かりました。

研修は、ウクライナ政府側からUNDP=国連開発計画などを通じて日本側に要請があったということで、一行は東京都内で検視や鑑識の技術を学ぶということです。

また、福島県警察本部なども訪れ、東日本大震災で多くの人が亡くなった際、DNA鑑定などでどのように身元の特定につなげてきたか、当時の経験について聞き取ることにしています。

関係者によりますと、ウクライナ側は、日本で学んだ技術や経験は犠牲者の身元の特定だけでなく、ロシア軍による戦争犯罪を立証するための証拠の収集にも役立てたい考えだということです。