東京ディズニーランド“パワハラ”訴訟 2審は原告の訴え退ける

東京ディズニーランドで、ショーに出演する契約社員の女性が上司や同僚からパワハラを受けたなどとして運営会社に賠償を求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は女性が職場で孤立していたと認めるのは困難だとして、賠償を命じた1審判決とは逆に女性の訴えを退けました。

東京ディズニーランドでキャラクターの着ぐるみを着てショーに出演する40代の契約社員の女性は、上司や同僚から繰り返し暴言を受けるなどのパワハラや集団的ないじめを受けたと主張して運営会社の「オリエンタルランド」に330万円の賠償を求めました。

1審の千葉地方裁判所は、パワハラに関する訴えは退けた一方、「女性が孤立しないよう職場環境を整えるべきだった」として、会社に対し88万円の支払いを命じました。

28日の2審の判決で東京高等裁判所の小出邦夫裁判長は、上司などの発言はパワハラやいじめにはあたらないと判断しました。

そのうえで「女性が孤立していると相談した形跡は見当たらず、むしろ女性の状況に理解を示す同僚も相当程度存在していた。女性が職場で孤立していたというには疑問が残る」として、1審判決を取り消し、訴えを退けました。

原告の女性「救いの手を払われ 悲しく受け入れられない」

判決を受けて弁護士などとともに記者会見した原告の女性は「従業員が安心して働けてこそディズニーランドは来場者が夢を見られる場所になると思っています。地裁が差し伸べてくれた最小限の救いの手を高裁によって払われたことが本当に悲しく、受け入れられません」と話していました。

今後の対応は判決の内容などを精査して検討したいとしています。