“子どもの権利 著しく侵害した国”にロシアを指定 国連

国連は、ロシア軍のウクライナへの攻撃によって、去年1年間に136人の子どもが死亡したなどと指摘し、ロシアを、紛争下で子どもの権利を著しく侵害した国の1つに指定して、子どもを守る対策を講じるよう強く求めました。

国連は、世界各地の武力紛争がもたらす子どもへの影響を調査していて、27日、ニューヨークの国連本部では、担当の事務総長特別代表が、去年1年間の調査結果をまとめた報告書を公表しました。

それによりますと、ウクライナでは、
▽ロシアの軍と武装勢力の攻撃によって子ども136人が死亡し、518人がけがをしたほか、
▽子ども91人が連れ去られたことを確認し、
さらに、
▽空爆などで480の学校や病院が被害を受けたとしています。

そのうえで報告書は、ロシアを、子どもの権利を著しく侵害した国のリストに加え、子どもを守る対策を講じるよう強く求めています。

このリストには、内戦が続く中東のシリアやイエメンなどがあげられていましたが、国連の安全保障理事会の常任理事国が加えられたのは、初めてだということです。

一方、報告書は、ロシア側との戦闘によって、ウクライナ軍によっても、
▽子ども80人が死亡し、
▽175人がけがをしたと指摘し、
ウクライナ側にも、子どもの権利を守るよう対応を求めています。

松野官房長官 “G7広島サミットでも強く非難”

松野官房長官は、28日午前の記者会見で「G7広島サミットにおけるウクライナに関する首脳声明でも、子どもを含むウクライナ人の不法な移送などを強く非難し、子どもの帰還を求め続けるとしたところだ。引き続き、G7をはじめとする国際社会と緊密に連携していく」と述べました。