円相場 一時1ドル=144円台に値下がり 約7か月ぶり

27日のニューヨーク外国為替市場ではFRB=連邦準備制度理事会がさらなる利上げを行うとの見方が強まって円安が加速し、円相場は一時、およそ7か月ぶりに1ドル=144円台まで値下がりしました。

27日のニューヨーク外国為替市場では円安が加速し、円相場は一時、1ドル=144円台まで値下がりしました。

1ドル=144円台をつけるのは、去年11月上旬以来およそ7か月ぶりです。

この日、発表されたアメリカの消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことなどから、アメリカ経済は堅調でFRBがさらなる利上げを行うとの見方が強まり、金融緩和を続ける日銀との金融政策の方向の違いが意識され、より利回りが見込めるドルを買って円を売る動きが強まりました。

また円はユーロに対しても売られ、一時、1ユーロ=157円台後半まで値下がりして、およそ15年ぶりの円安ユーロ高水準を更新しました。

市場関係者は「アメリカのインフレが長引いて、さらなる利上げが必要になるとの見方が広がり、円売りドル買いが進んだ。一方、日本政府・日銀が円安に歯止めをかけるため、市場介入に踏み切ることを警戒する投資家もいる。日銀と欧米の金融政策の方向の違いが際立つ中で、円安がどこまで進むか見通せない状況だ」と話しています。

ダウ平均株価は値上がり

27日のニューヨーク株式市場は、消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことなどから景気の先行きへの期待が高まって買い注文が増え、ダウ平均株価の終値は前日に比べて212ドル3セント高い3万3926ドル74セントでした。

ダウ平均株価の値上がりは7営業日ぶりです。

消費者信頼感指数 約1年5か月ぶり高水準

アメリカの消費者が景気をどう見ているかを示す今月の消費者信頼感指数は、大幅に上昇して1年5か月ぶりの高い水準となり、個人消費の増加につながるかが注目されます。

消費者信頼感指数は、アメリカの調査会社「コンファレンス・ボード」が5000人の消費者へのアンケートをもとに、消費者が景気をどう見ているのかを指数化したものです。

27日に発表された今月の消費者信頼感指数は109.7と、先月と比べて7.2ポイントの大幅な上昇となり、去年1月以来、およそ1年5か月ぶりの高い水準となりました。

アメリカではインフレを抑え込むため去年3月からFRB=連邦準備制度理事会が急速な利上げを行った影響で景気の減速が懸念されていますが、今回のアンケートの結果では消費者は家計についてこれまでより明るい見通しをもっているとしていて、アメリカのGDP=国内総生産のおよそ7割を占める個人消費の増加につながるかが注目されます。