国内の優れたオーケストラ作品に贈られる「尾高賞」授賞式

国内の優れたオーケストラ作品に贈られる「尾高賞」に、作曲家の藤倉大さんと一柳慧さんの作品がそれぞれ選ばれ、27日夜、授賞式が行われました。

「尾高賞」は、NHK交響楽団が専任指揮者で作曲家でもあった尾高尚忠さんの功績を記念して毎年、国内の優れたオーケストラ作品に贈っています。

ことしの受賞作には、海外を拠点に活動する藤倉大さんが作曲した「尺八協奏曲」と、去年10月に亡くなった一柳※トシさんの生前最後の完成作となった「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」の2つの作品が選ばれました。

27日は東京都内で授賞式が開かれ、2つの作品がNHK交響楽団などの演奏で披露されました。

このうち藤倉さんの「尺八協奏曲」は、尺八の音に応えるかのようにオーケストラの響きが音の広がりを紡ぎ出し、楽器の持つ表現力の豊かさが引き出された作品となっています。

また、一柳さんの「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」はバイオリンと三味線の音色が融合し、リズミカルな打楽器も加わりながら豊かな音楽を生み出している作品として評価されました。

授賞式に出席した藤倉さんは、「今回の曲作りでは尺八の奏者と3日に1度はやりとりしながら、尺八の魅力を失わないように意識して作りました」と話していました。

※「トシ」は、「慧」の真ん中が突き出さない「ヨ」