西日本~東北 広範囲で大気非常に不安定 土砂災害など十分注意

西日本から東北にかけての広い範囲で大気の状態が非常に不安定になり、各地で雷を伴って非常に激しい雨が降り、富山県や山形県では猛烈な雨を観測しました。
大気の不安定な状態はこのあとしばらく続く見込みで、気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、落雷や突風などに十分注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと南から流れ込む暖かく湿った空気と上空の寒気の影響で、西日本から東北にかけての広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。

昼ごろから夜にかけては日本海側を中心に雨雲が発達し、
▽午後6時半までの1時間には国土交通省が山形県東根市に設置した雨量計で115ミリ、
▽午後4時までの1時間には富山県が上市町に設置した雨量計で101ミリのいずれも猛烈な雨を観測しました。

気象庁は一時、災害が発生する危険が迫っているとして「記録的短時間大雨情報」を発表しました。

関東甲信でも雨雲が発達し、午後9時までの1時間には、
▽栃木県が那珂川町に設置した雨量計で74ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
午後10時までの1時間には
▽茨城県日立市で32.5ミリの激しい雨が降りました。

大気の不安定な状態はこのあとしばらく続く見込みで、局地的に雷を伴って激しい雨が降るおそれがあります。

また、29日も午後を中心に再び大気の状態が不安定になり、夜遅くにかけて雷を伴った激しい雨が降り大雨となるおそれがあります。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷や竜巻などの突風、それに「ひょう」に十分注意するよう呼びかけています。

29日にかけて天候が急変しやすく、雨が降っていなくても最新の情報を確認するようにしてください。

急に冷たい風が強く吹いたり雷の音が聞こえたりするなど、発達した積乱雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物に移動するなど安全を確保するよう心がけて下さい。

また、雨が急激に強まると雨水が側溝やマンホールからあふれたり道路が冠水したりするおそれもあります。

線路や道路の下を通る「アンダーパス」など周囲より低い場所では冠水に気づかず車が入り込むおそれもあるため、無理な運転は避けるようにしてください。

【停電】栃木 茨城で約2030戸 (28日午後10時)

東京電力パワーグリッドによりますと、28日午後10時現在、栃木県と茨城県でおよそ2030戸が停電しています。

内訳は▽栃木県内でおよそ1730戸、▽茨城県内でおよそ300戸です。

原因は調査中ですが、落雷が影響している可能性もあるということで、現在、復旧作業にあたっているということです。

埼玉 羽生「ひょう」による被害も確認

大気の状態が不安定になった埼玉県内では、繰り返し発達した雨雲が流れ込み、「ひょう」による被害も確認されています。

羽生市では午後4時過ぎ、雷を伴った激しい雨とともに「ひょう」が降りました。

市によりますと、「ひょう」で自宅の窓が割れたり、車がへこんだりしたという市民からの連絡が数件、入っているということです。

市内の70代の男性は、「ピンポン玉くらいの大きさのひょうが降ってきました。家庭菜園で栽培していたトマトの枝が折れるなどの被害がありました」と話していました。

埼玉 熊谷 プレハブの建物倒れ車3台下敷きに

埼玉県熊谷市今井では電気工事会社の倉庫として使われている2階建てのプレハブの建物が倒れ、建物の前に止めてあった車3台が下敷きになりました。

けが人はいませんでした。

会社によりますと、午後4時ごろ雨や風が激しくなって「ひょう」も降り、その後外に出てみると、建物が倒れていたということです。

午後8時すぎにはクレーン車で建物を片づける作業が行われていました。