政府 CO2排出量に応じコスト負担など新戦略 7月中めどに策定へ

政府は、二酸化炭素の排出量に応じて、企業などがコストを負担する「カーボンプライシング」の制度の導入などを速やかに実行に移すための新たな戦略を7月中をめどに策定することを決めました。

政府は、総理大臣官邸で「GX=グリーントランスフォーメーション実行会議」を開き、岸田総理大臣や西村経済産業大臣、経団連の十倉会長などが出席しました。

会議では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを速やかに実行に移すため、7月中をめどに新たにGX推進戦略を策定することを決めました。

戦略には、
▽2026年度から本格稼働させる、企業などが削減した二酸化炭素の排出量を市場で売買する排出量取引の導入を加速させるため、インセンティブを設けることや、
▽脱炭素に向けた民間投資を後押しする新たな国債「GX経済移行債」を移行期の技術開発への支援に活用することなどが盛り込まれる見通しです。

このほか会議では、排出量取引の制度の普及に向けて、アジアで初めてこの制度を導入した韓国とも連携していくことなどが報告されました。

さらに、去年公表した水素やアンモニア、鉄鋼、自動車など22の分野における脱炭素への工程表について、必要に応じて改定を行い、来年度予算案の編成に支援策を反映させていく方針も確認しました。

岸田首相「前例にとらわれず大胆な政策の具体化を」

岸田総理大臣は「再生可能エネルギーや水素など、先行き不透明なために、大規模な民間投資がちゅうちょされている分野に、世界に遜色のない中身と水準で税制面や予算面での支援を検討し、先行投資のリスク低減を図っていく。GXは経済安全保障の上でも大きな役割を果たす先送りの許されない課題の最たるものであり、関係府省庁が連携して、前例にとらわれない大胆な政策の具体化にチャレンジしてほしい」と述べました。