韓国 ことしから大学入試の難問排除発表も受験生混乱で議論に

受験競争が厳しい韓国で、政府はことしの大学入試から高校の学習範囲を超えた難問の出題をやめると発表しました。過熱する塾通いなどの負担を減らすためだとしていますが、受験生が混乱するとも報じられ、大きな議論となっています。

韓国で毎年11月に行われる大学進学のための「大学修学能力試験」について、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、学校教育の範囲を超えた難問を出さないように指示し、これについてイ・ジュホ(李周浩)教育相が26日、会見を開きました。

この中で、韓国で「キラー問題」と呼ばれる正答率が低い難問の出題で、受験生が学習塾などに頼らざるをえなくなっているとの見解を示しました。

そして、「保護者の経済的地位と関係なく入試に臨めるように、公教育で支援する」と強調してことし11月の入試から、こうした難問の出題をやめると発表しました。

韓国では学歴重視の傾向が強く、現地メディアは「塾通い地獄」などとして教育費の負担が深刻な少子化の一因だと指摘していて、韓国政府は今回の対応で「国民の負担を減らす」と強調しています。

一方で、入試を5か月後に控えた方針転換で、受験生が混乱するとも報じられ、大きな議論となっています。