NASA 火星での長期滞在想定し実験開始 施設内で4人が1年間生活

将来、火星に宇宙飛行士が長期滞在することを想定して、NASA=アメリカ航空宇宙局は、火星に似せた施設の中で4人がおよそ1年間生活する実験を開始しました。

この実験は、将来火星に宇宙飛行士が長期滞在する際どのような影響があるのか、およそ1年施設の中で生活してもらい調べようというものです。

25日、アメリカ・テキサス州にあるNASAの施設には、この実験に参加する科学者など4人が集まりました。

施設に入る前、参加者は1人ずつ実験への意気込みや家族への感謝を述べましたが、中には涙ぐむ参加者の姿も見られました。

このあと4人は集まった人たちに手を振りながら施設の中に入っていき、実験が始まりました。

4人が生活するのは広さおよそ160平方メートルの3Dプリンター製の建物で、リビングのほか、個室の寝室や共同シャワー、それに実験室も備えられています。

施設内には赤い砂を敷き詰めた110平方メートルほどの空間があり、火星を長時間歩いて探索するシミュレーションなどができるようになっています。

4人は、この先およそ1年間、この施設の中だけでさまざまな実験を行いながら生活することになっていて、NASAは4人の健康状態などを調べ、将来の火星での有人探査に生かす予定です。