中国 愛国主義教育の推進を盛り込んだ法案 きょうから審議開始

中国で、愛国主義教育の推進を盛り込んだ「愛国主義教育法案」の審議が26日から全人代=全国人民代表大会の常務委員会で行われ、習近平指導部への求心力を高め、社会の安定を図るねらいがあるとみられます。

中国の全人代常務委員会は「愛国主義教育法案」などの審議を26日から3日間の日程で行います。

法案の詳しい条文は明らかになっていませんが、常務委員会の報道官は25日の会見で、習近平国家主席の指導思想を指針にし、国や共産党、社会主義を愛することや、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現をテーマとしているなどと説明しました。

そして法案には、愛国主義教育の指導理念に加え、具体的な指導体制や教育内容などが盛り込まれるとしています。

中国では、これまでにも愛国主義教育の重要性が強調されていて、江沢民元国家主席は抗日戦争に勝利したと主張する教育方針を推進し、歴史認識をめぐって日中両国の互いの国民感情が悪化する一因をつくったとも指摘されました。

習近平指導部としては、国家の統一や民族の団結を強調する法律を新たに制定することで、指導部への求心力を高め、社会の安定を図るねらいがあるとみられます。