マイナンバーカードと健康保険証 一体化の是非など 与野党論戦

マイナンバーカードをめぐる問題が相次ぐ中、NHKの「日曜討論」で、来年秋にいまの健康保険証を廃止し、カードと一体化する政府の方針の是非などについて、与野党の政策責任者が論戦を行いました。

▼自民党の新藤政務調査会長代行は「健康保険証のマイナンバーカードへの全面移行は、国民の不安を払拭し、きちんとした形でできることが大前提だ。行政の合理化を図ることは国民負担の軽減につながる。少子高齢化や人口減少が進む中で、社会のコストを下げながら、医療の安心や教育、行政の利便性を図るのが大事で、アナログのほうに戻すわけにはいかない。来年の秋に向けて全力を尽くす」と述べました。

▼公明党の上田政務調査会長代理は「マイナンバーカード1枚で管理できるようになれば、すごく便利になるという話も聞く。デジタル化は、社会保障の分野に限らず、進めていかなければならない課題であり、不安の払拭が前提だが、スケジュールどおりに進めることが重要だ」と述べました。

▼立憲民主党の長妻政務調査会長は「マイナンバーへのひも付けを拙速に進めたツケが回ってきており、反省してもらいたい。違う人の薬が処方されるリスクもあり、徹底的に調査してほしい。来年秋の健康保険証の廃止は撤回すべきで、国民が不安に思わないように進めないと、デジタル化が先進国で最低レベルとまた言われる」と述べました。

▼日本維新の会の小野政務調査会副会長は「デジタル化を進めることには同意しており、さまざまな行政サービスをマイナンバーカードにひも付けて、生産性や国民の利便性を上げるべきだ。個人情報の管理は、間違っていたところをシステムの観点から検証することが大事だ」と述べました。

▼共産党の田村政策委員長は「医療情報の誤ったひも付けなどは受診の妨げになり、命に関わる問題だ。いったん健康保険証との一体化の運用をとめて、制度設計から点検すべきだ。非常に深刻な事態だ」と述べました。

▼国民民主党の大塚政務調査会長は「来年秋に設定した健康保険証廃止の目標は、トラブルがおきて無理があり、弾力的に考えたほうがいい。システムがダウンしたときの対応は政治と行政で共有すべきだ」と述べました。

▼れいわ新選組の櫛渕政策審議会長代理は「国民皆保険のもとでの健康保険証の廃止は、事実上、マイナンバーカードの強制だ。国民は不安しかなく、カード返納の国民運動を起こそう」と述べました。