プーチン大統領【演説全文】「裏切りだ」プリゴジン氏が反乱か

ロシアの治安当局は、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が反乱を呼びかけた疑いがあるとして捜査に着手しました。

これについてロシアのプーチン大統領は24日、緊急にテレビ演説を行いました。全文を掲載します。

ロシアは今、未来のために厳しい戦いを進めている

ロシアの市民、軍・法執行機関・特務機関の職員、そしてみずからの陣地で戦い、敵の攻撃を撃退している兵士や指揮官に呼びかける。

私は昨夜再び、各方面の指揮官たちと話し、諸君の英雄的な行為を知った。

そして、欺まんや脅迫によって犯罪的な冒険に誘い込まれ、武装した反乱という重大な犯罪の道へと突き進んでいる人々にも呼びかけたい。

ロシアは今、未来のために厳しい戦いを進めている。

ネオナチとその主たちの侵略を退けている。

西側諸国の軍事・経済・情報機関は、事実上すべてわれわれに敵対している。

われわれは、国民の生命と安全のため、主権と独立のために戦っている。

ロシアが1000年の歴史を有する国家であり続ける権利のために戦っているのだ。

国民の運命が決定されるこの戦いには、あらゆる勢力の団結、統合、結集そして責任が要求される。

われわれが直面しているのは裏切りだ

このようなときに、われわれを弱体化させるあらゆるもの、外敵がわれわれを内部から弱体化させるために利用するあらゆる種類の不和は、脇に置かれなければならない。

われわれの団結を分裂させる行動は、前線で戦っている戦友への背信であり、わが国と国民に対する裏切りだ。

まさにこれと同じ裏切りを、ロシアは1917年、第1次世界大戦のさなかに受けた。

勝利は奪われた。

軍と人民の背後での陰謀、もめ事、政治的な駆け引きは、極めて大きな混乱を引き起こし、軍の破壊、国家の崩壊、甚大な領土の喪失をもたらした。

その結果が、内戦という悲劇だ。

ロシア人どうし、兄弟どうしで殺し合い、あらゆる政治的野心家や外国の勢力が便乗し、国を引き裂き、バラバラにした。

われわれはこのようなことが再び起きることを許さない。

内部の裏切りも含め、あらゆる脅威から国民と国家を守る。

われわれが直面しているのは裏切りだ。

行き過ぎた野心と利己主義が反逆を招いた。

国家や国民への裏切り、そしてほかの部隊とともに「ワグネル」の戦士や指揮官が戦い、死んでいった大義への裏切りにほかならない。

ソレダールやバフムト、それにドンバスの都市や町を解放した英雄たちは「ノボロシア(新しいロシア)」のため、「ロシア世界」の統一のために戦い、命をささげた。

反乱を企てる者たちは、英雄たちの名声と栄光を裏切り、国家を無政府状態と兄弟殺しに向かわせる。

そして最終的には、敗北と降伏に向かわせようとしている。

繰り返すが、いかなる内乱も国家に対する致命的な脅威だ。

それはロシアへの、またわが国民への攻撃である。

そのような脅威から祖国を守るための行動は厳しいものになるだろう。

意図的に裏切りの道を選んだ者、武装反乱を準備した者、恐喝やテロリズムといった手段の道を歩み始めた者は、必ず処罰され、法と国民の両方に責任を問われる。

軍やその他の政府機関は必要な命令を受け、モスクワ市、モスクワ州をはじめ、多くの地域で、追加のテロ対策が導入されている。

ロストフ・ナ・ドヌーの状況を安定させるために、断固とした措置が取られるだろう。

唯一の正しい選択を強く求める

しかし依然として困難な状況が続き、事実上、行政当局・軍事当局の活動は妨げられている。

私はロシアの大統領として、最高司令官として、いちロシア国民として、国を防衛するため、そして立憲体制、国民の生命、安全、自由を守るため、あらゆる手段を尽くすつもりだ。

武装した反乱を組織した者、戦友に対して武器を向けた者は、まさにロシアを裏切った。

その責任を問われるだろう。

この犯罪に巻き込まれようとしている人々が、致命的で悲劇的な過ちを犯さぬよう、唯一の正しい選択を強く求める。

つまり犯罪行為に加担することをやめるということだ。

私は信じている。

われわれが、尊く神聖なものを大切にし、守り抜くことを。

そして祖国とともに、どんな試練も乗り越え、より強くなることを信じている。