前田健太 約2か月ぶり先発 5回を無失点 おととし8月以来の勝利

大リーグ、ツインズの前田健太投手が23日、タイガース戦でおよそ2か月ぶりに先発登板し、5回を投げてヒット3本、無失点と好投しておととし8月以来となる勝ち星をあげました。

35歳の前田投手は、おととし9月に受けた右ひじのトミー・ジョン手術から今シーズン復帰しましたが、ことし4月26日の登板後に右腕の筋肉の張りと炎症でけが人リスト入りしていました。

傘下のマイナーリーグで4試合に調整登板したあと、前田投手は23日、相手の本拠地デトロイトで行われたタイガース戦でおよそ2か月ぶりに先発マウンドに上がりました。

1回の立ち上がりはコントロールに苦しみ、フォアボールとヒットでノーアウト一塁二塁のピンチを招きましたが、続くバッターから変化球で三振を奪い、さらに、後続のバッターは力強いボールでショートゴロのダブルプレーに打ち取って無失点で切り抜けました。

味方の打線が2回、ツーランを含む2本のホームランで3点を先制し、直後の2回ウラはいずれもキレのある変化球で3者連続三振を奪って立ち直りその後も得点を許しませんでした。

5回は、ヒットとフォアボールで2アウト一塁二塁のピンチを招きましたが、続くバッターから低めの変化球で空振りの三振を奪ってここも無失点で切り抜け、前田投手は、雄たけびあげながらガッツポーズをして気迫あふれる姿を見せました。

復帰後の初先発は5回でマウンドを降り、球数は83球、打たれたヒットが3本、フォアボール2つ、三振は8つ奪って無失点と好投しました。

試合はツインズが4対1で勝ち、前田投手はトミー・ジョン手術前のおととし8月14日以来となる勝ち星をあげて今シーズン初勝利をマークし、ここまでの成績は1勝4敗となりました。

「何としても勝ちたい」続投を志願

前田投手は勝ち投手の権利がかかる5回、2アウト一塁から9番バッターにフォアボールを出したところで監督代行のベンチコーチがマウンドに来ると「何としても勝ちたい」と首を横に振って続投を志願しました。

「信じてもらったので、絶対抑えないといけない」と気合いが入ったという前田投手。

続くバッターをストレートで追い込み、最後は調子がよかったというチェンジアップを低めに投げて空振りの三振を奪い、念願の勝利投手の権利をつかみました。

試合後に前田投手は「交代の時に意見を言うタイプではないが、もう1人投げさせてほしいと頑張って英語で説得した」とやり取りを明かしました。

そのうえで、「マウンドに来てなかったら結果が同じだったと思えないので、あそこでもう一度、気持ちを入れ直すことができたので抑えられた」と振り返りました。

そして、「この瞬間のために頑張ってたと言っても過言ではない。先発ピッチャーとして勝つ瞬間というのが何よりも変え難く、いちばんうれしい瞬間だ。リハビリ期間や勝てない時期がこの1勝で全て報われる」とおととし8月14日以来の勝ち星をかみしめている様子でした。