【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア西部 ボロネジ州で何らかの戦闘開始か

プーチン大統領の演説が放送されたあと、ロシア西部のボロネジ州の知事は日本時間の24日午後6時前、SNSで「ボロネジ州の領土での対テロ作戦の一環として、ロシア軍は必要な軍事作戦を行っている」と明らかにしました。

ボロネジ州はプリゴジン氏が支配下に置いたと主張するロシア軍の軍事施設がある南部ロストフ州に隣接していて、ロシア軍と、ボロネジ州に移動したワグネルの部隊との間で何らかの戦闘が始まっているとみられます。

プーチン大統領演説「直面しているのは裏切りだ」

ロシアの国営テレビは日本時間の24日午後4時ごろからプーチン大統領の演説を放送しました。

この中でプーチン大統領は、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が反乱を呼びかけた疑いをめぐり「われわれの団結を分裂させる行動は、前線で戦っている戦友への背信であり、わが国と国民に対する裏切りだ」と述べ、強く非難しました。

その上で「われわれが直面しているのは裏切りだ。行き過ぎた野心と利己主義が反逆を招いた。いかなる内乱も国家に対する致命的な脅威だ。そのような脅威から祖国を守るための行動は厳しいものになるだろう。裏切りの道を歩んだ者や反乱を準備した者、どう喝やテロの手法をとった者にはすべて処罰が避けられない」と述べ、ロシア軍に断固たる措置をとるよう指示したことを明らかにしました。

キーウ ロシア軍の攻撃を迎撃 破片で集合住宅に被害 3人死亡

ウクライナの首都キーウの当局は、ウクライナ側がロシア軍の攻撃を迎撃したところ、破片が集合住宅に落下したと24日、SNSに投稿しました。

これについてウクライナの非常事態庁は25階建ての集合住宅の16階から19階が被害を受け、3人が死亡、8人がけがをしたと明らかにしました。

アメリカ ホワイトハウス「事態を注視している」

ロシアの治安当局が民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏の捜査に着手したことを受けて、アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道担当者は「事態を注視している。今後、同盟国などと状況を協議する」とコメントしています。

ウクライナ国防省「権力とカネをめぐって共食いを始めた」

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は23日「プーチンのもろい独裁体制が崩れた。ロシアの全体主義者たちは権力とカネをめぐって共食いを始めた。われわれが長らく言っていたことが起きた」とSNSに投稿しました。

ロシア軍副司令官「ロシア大統領の意志と命令に従え」

ロシア軍でウクライナ侵攻の副司令官を務め、プリゴジン氏と関係が近いとされるスロビキン氏は24日、SNSで「ロシア大統領の意志と命令に従え。元の場所に戻れ」とワグネルの戦闘員に反乱に加わらないよう呼びかけ、事態の収拾に乗り出しています。

また別の将校は、動画のメッセージで「これは軍事クーデターだ」と非難しました。

プリゴジン氏 戦闘員がロシア南部の州に「邪魔する者は排除」

プリゴジン氏は、ウクライナへの軍事侵攻をめぐってロシア国防省との確執を深め、23日にはワグネルの部隊がロシア軍に攻撃されたとSNSで主張し、報復を示唆していました。

また24日未明の投稿では、ワグネルの戦闘員たちがウクライナとの国境に近くロシア軍の司令部もある南部のロストフ州に入ったとした上で「邪魔をする者はすべて排除する」と述べました。

ロストフ州では、中心都市の警備が強化されていると伝えられるなど緊張が高まっています。

ロシア最高検 “プリゴジン氏 反乱呼びかけた疑い 捜査着手”

ロシア最高検察庁の発表によりますと、治安機関のFSB=連邦保安庁は23日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏が武装して反乱を呼びかけた疑いがあるとして、捜査に着手したということです。

ウクライナの前線に多くの戦闘員を投入してきたプリゴジン氏は、統制を強化しようとする国防省への反発を強め、23日には軍事侵攻を正当化するプーチン政権の主張まで否定していました。

「大統領の料理人」とも呼ばれ政権側に近いとされてきたプリゴジン氏に対して、プーチン大統領がどのような対応をとるのかが焦点です。

ロシア当局 ワグネル代表の捜査に着手 “武装蜂起呼びかけた”

ウクライナへの軍事侵攻をめぐりロシア国防省との確執が深まっている民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏について、治安機関のFSB=連邦保安庁が武装蜂起を呼びかけた疑いで捜査に着手したと、23日、ロシアの国営通信社が伝えました。

プリゴジン氏はSNSへの投稿で、ワグネルの部隊がロシア軍から攻撃されたと主張し「軍指導部の悪事を止める」などと報復を示唆していました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に「プーチン大統領はすべての報告を受けている。必要な措置はとられている」と述べています。

軍事会社ワグネルの代表 “ロシア国防省が戦況を偽っている”

ウクライナの戦況について、反転攻勢を続けるウクライナのマリャル国防次官は23日、地元テレビに出演し、東部では激戦の中でロシア側の進軍を食い止め、南部では着実に前進しているとアピールし「本格的な作戦はこれからだ」と強調しました。

一方、ロシアのプーチン大統領は撃退に成功していると強調し、ショイグ国防相もウクライナ軍の勢いは当初より衰えているなどと主張しています。

こうした中、軍事侵攻で多くの戦闘員を投入する、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏は、23日に公開した動画で、ロシア国防省の指導部に対して「われわれが聞かされているのは深刻な欺まんだ」と述べ、ショイグ国防相らが戦況を偽っていると非難しました。

そのうえで「ウクライナ軍はロシア軍を押し出し、われわれは血まみれになっている」と述べ、ロシア軍は南部で後退していると指摘しました。

さらに「国防省は社会や大統領を欺こうとしている」と述べ、プーチン政権が軍事侵攻を正当化するために主張している、ウクライナ東部のロシア系住民への弾圧やNATOからの軍事的な脅威などとは「全く違う理由で、いわゆる特別軍事作戦が開始された」と持論を展開しました。

EU ロシア国外の企業や団体を新たに制裁対象に加える

EU=ヨーロッパ連合は23日、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をめぐる追加の制裁措置を発表し、ロシアの制裁逃れに関わっているとして、香港に拠点を置く企業3社など、ロシア国外の企業や団体を新たに制裁の対象に加えました。

EUが規制している物品が第三国を経由してロシアに輸出されるのを防ぐのがねらいで、これらの企業や団体に対するEU域内からの軍事転用が可能な物品などの輸出の制限を強化するとしています。

さらにEU加盟国は、第三国を経由した制裁逃れが深刻な場合、最終的な手段として、対象の国への輸出を制限する措置をとることで合意しました。

EUは、こうした措置によってロシアへの制裁を徹底したい考えです。

G7やグローバル・サウスの高官ら ウクライナ情勢めぐり協議へ

G7=主要7か国とグローバル・サウスと呼ばれる新興国などの政府高官らが24日から北欧のデンマークに集まり、ウクライナ情勢をめぐって協議を行います。

複数の外交筋によりますと、協議は、ウクライナ政府などの呼びかけで24日からデンマークの首都コペンハーゲンで2日間の日程で行われ、アメリカのサリバン大統領補佐官や秋葉国家安全保障局長など、G7各国の安全保障担当の政府高官が出席するということです。

協議には、ウクライナからはイエルマク大統領府長官が出席する見通しで、インド、ブラジル、トルコなど、グローバル・サウスと呼ばれる新興国の出席も調整されているということです。

協議では、ロシア軍の撤退など、ウクライナが提唱している和平に向けた10項目についてグローバル・サウスの国々に理解や支持を求めるほか、軍事侵攻の終結後も見据えたウクライナの安全保障をめぐって意見を交わすとみられます。

ウクライナ南部 ロシア軍の相次ぐ攻撃で3人死亡

現地のメディアなどによりますと、ウクライナ南部のヘルソン州とザポリージャ州では23日、ロシア軍による攻撃が相次ぎ、合わせて3人が死亡したということです。

このうちヘルソン州では、州都ヘルソンにある交通機関を運営する企業の建物が攻撃され、43歳と55歳の男性が死亡し、複数がけがをしたと伝えられています。

ロイター通信が配信した現場の映像では、攻撃によるものとみられる地面のくぼみや、粉々に割れた窓ガラスが道路に散らばっている様子が確認できます。

また、ザポリージャ州でも複数の集落が攻撃を受け、35歳の男性が死亡したということです。