「送料無料」表示見直し検討開始 物流業界が求める 消費者庁

物流業界でトラックドライバーの人手不足の深刻化が懸念されているいわゆる「2024年問題」への対応の一環として、消費者庁はネット通販などで広がっている送料無料表示の見直しのための検討を始めました。

物流業界では、来年4月からトラックドライバーへの時間外労働の規制が強化されるため人手不足の深刻化や輸送量の減少が懸念されていて「2024年問題」と呼ばれています。

一方、ネット通販などでは「送料無料」の表示が広がっていて、物流業界からは配送にはコストがかからないという誤解を消費者に与え、荷主との適正な料金交渉を難しくしているなどと見直しを求める声があがっていました。

こうしたことから消費者庁は、無料表示の見直しを検討するための意見交換会を23日初めて開き、全日本トラック協会の馬渡雅敏副会長から運送業界の現状などを聞きました。

馬渡副会長は、「『送料無料』という表現はやめてもらいたい。このままでは物流が維持できなくなる」などと訴えました。

その後、質疑などは非公開で1時間ほど行われ、会合のあと馬渡副会長は、「ことば狩りをしたい訳ではないが送料は無料ではないことを言い続けていきたい」と話していました。

消費者庁は、無料表示を行っている荷主側からも話を聞くことにしていて
▽送料が商品価格にどのように反映されているかや
▽表示の見直しによる影響などを整理して、消費者の誤解を招く表示の見直しに向けた方針をできるだけ早い時期に示したいとしています。