装着式カメラ導入や受刑者「呼び捨て」見直し検討 暴行問題で

名古屋刑務所の複数の刑務官による受刑者への暴行問題で、齋藤法務大臣は再発防止策として、全国の刑務官を対象に、5年以内に装着式のカメラの導入を目指すほか、受刑者の名字の「呼び捨て」の見直し検討などを発表しました。

名古屋刑務所をめぐっては、若手の刑務官22人が、おととしから去年にかけて3人の受刑者に暴行を繰り返し、このうち13人が書類送検されています。

齋藤法務大臣は記者会見し、有識者の第三者委員会の提言を踏まえ、再発防止策を発表しました。

それによりますと、
▽全国の刑務所などの刑務官を対象に、5年以内に装着式のカメラの導入を目指します。

不適切な言動を抑えるとともに、若手刑務官が処遇の難しい受刑者を担当する場合、通信機能を活用してサポートを受けられる体制を構築するとしています。

また、
▽一部にあった、受刑者を「懲役」と呼ぶなど、不適切な呼称は禁止し、名字の「呼び捨て」の見直しも検討します。

そして、
▽3年以内に、受刑者によっては心理学の専門家も加わって、チームで対応することも目指します。

齋藤法務大臣は「組織風土の変革を進め、再発防止策を着実に実施することで国民の信頼回復に努める。犯罪をした人の立ち直りを支えながら、安全・安心な社会の実現に寄与する本来の役割・責務を果たしたい」と述べました。

このあと齋藤法務大臣は、全国の刑務所長らとのオンライン会議で、再発防止策を着実に進めるよう指示しました。

そのうえで、「矯正職員は、犯罪や非行をした人たちが再び社会を構成する一員となる手助けができる。職務の社会的意義や重要性を再認識してほしい」と述べました。