潜水艇操縦士の妻は「タイタニック号」犠牲者の子孫

大西洋で沈没したタイタニック号を見るために海中に潜ったあと連絡が途絶えた潜水艇をめぐり、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは21日、潜水艇を運営するアメリカの会社のCEOで、潜水艇の操縦士として乗っていた男性の妻が、111年前に沈没した豪華客船タイタニック号の乗客で犠牲となった夫妻の子孫だったと報じました。

ニューヨーク・タイムズによりますと、潜水艇の操縦士の妻ウェンディ・ラッシュさんは、111年前にタイタニック号の1等船室の乗客で、アメリカの百貨店「メイシーズ」の共同オーナーだったイジドー・ストラウスさんと妻のアイダさんのやしゃごだということです。

夫のイジドーさんは、船が海に沈んでいく中で、女性や子どもが船に残っている様子を目の当たりにして救命ボートに乗ることを拒否し、妻のアイダさんも40年以上連れ添った夫と船に残ることを決めたことで知られています。

船が沈む際にタイタニック号のデッキで2人が寄り添って立っている姿を生存者が目撃し、その後、イジドーさんの遺体は見つかりましたが、アイダさんは見つかっていないということです。

豪華客船の沈没を題材にした映画「タイタニック」では、この夫妻をモデルに、浸水する部屋のベッドで抱きしめ合う老夫婦の姿が描かれたということです。