米印首脳会談 防衛協力強化 先端技術分野での協力などで一致

アメリカのバイデン大統領とインドのモディ首相が首脳会談を行い、戦闘機用のエンジンの共同生産など、防衛協力を強化することなどで一致しました。中国への圧力を強めたいアメリカと、兵器調達でロシア依存からの脱却を目指すインドの双方の思惑が合致した形です。

アメリカのバイデン大統領はインドのモディ首相と22日、ワシントンで会談し、防衛協力の強化や先端技術分野での協力などで一致したと発表しました。

共同声明によりますと両国はアメリカが開発した戦闘機用のエンジンをインド国内で共同で生産することや、インド国内の造船所でアメリカ海軍の艦船の修繕をできるようにすることそれにインド政府がアメリカ製の無人機を購入することなどで合意したとしています。

バイデン大統領は会談後の記者会見で「両国がいかにあらゆる取り組みで協力し、前進しているかを示すものだ」と述べて会談の成果を強調しました。

一方、モディ首相は「両国はかつての買い手と売り手の関係から、技術移転と共同生産の関係へと移行した。今回の決定は今後の防衛協力に新たな性格を与えるだろう」と述べ、両国の連携が新たな段階に移行したという認識を示しました。

今回、バイデン政権はモディ首相を同盟国以外の首脳としては初めて国賓として招待していて、アメリカとしては覇権主義的な行動を強める中国に対抗するうえで、インドを欧米側へとさらに引き寄せたい考えです。

一方、インドはこれまで兵器の多くをロシアからの輸入に頼っていたことから調達先の多角化が課題となっていて、今回の会談はアメリカとインドの双方の思惑が合致した形です。