NASA 気候変動の展示施設をオープン 人工衛星の観測データ活用

気候変動の問題に対する世界的な関心を高めようと、NASA=アメリカ航空宇宙局は人工衛星で観測された実際のデータを活用した展示施設を新たに開設しました。

アメリカの首都ワシントンにあるNASAの本部では「地球情報センター」という名前の展示施設が新たにオープンし、21日、報道陣に公開されました。

「地球情報センター」の展示には、NASAや日本のJAXA=宇宙航空研究開発機構などが運用する20以上の人工衛星が観測した、気象や地球環境に関するさまざまなデータが活用されています。

このうち世界の異常気象に関する展示では大型スクリーンに各地の衛星画像や降水量などが表示され、大雨による災害が起きるおそれがある場所や北極と南極の氷が年々減少する様子などがひと目でわかります。

また大気中の汚染物質を映像化した展示では、今月、隣国のカナダで山火事が起きたあと、大量の煙が周辺に広がり、ニューヨークまで到達した様子を確認することができます。

「地球情報センター」は市民や観光客に無料で公開されるほか、一部の展示にはインターネットでアクセスすることもでき、NASAは、気候変動問題の実情を知った上で対策に役立ててほしいとしています。

NASAのネルソン長官は「多くの人が日々、気候変動に対応しようとさまざまな決断をしている。地球に関するデータは誰にでもわかりやすく、使いやすいものであるべきだ」と話していました。