ゼレンスキー大統領 反転攻勢の作戦が難航している認識を示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は、反転攻勢について「すべてが容易というわけではない」と述べ、作戦が難航しているという認識を示しました。一方、ロシアのプーチン大統領は、新型の大陸間弾道ミサイルを近い将来、実戦配備すると表明するなど再び核戦力を誇示し、欧米をけん制しました。

ウクライナ軍が領土の奪還を目指して東部ドネツク州や南部ザポリージャ州で反転攻勢を続ける中、ゼレンスキー大統領は、イギリスの公共放送BBCが21日放送したインタビューで「すべてが容易というわけではない。現状では、望んでいるより小さい前進にとどまっている」と述べ、作戦が難航しているという認識を示しました。

そして、ロシア軍が広い範囲に仕掛けた大量の地雷によって、部隊の前進が阻まれているという見方を示した上で「西側諸国の意欲を引き出すためにも、前進することが非常に重要だ」と述べ、反転攻勢を成功させる決意を強調しました。

一方、ロシアのプーチン大統領は21日、首都モスクワで士官学校などの卒業生を前に演説し、複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「サルマト」を近い将来、実戦配備すると表明するなど、再び核戦力を誇示して、欧米をけん制しました。

またプーチン大統領は式典後、国営テレビのインタビューに対し「敵に勝ち目はない」などと強硬姿勢を繰り返しました。

BBCが放送したインタビューの詳細

ウクライナのゼレンスキー大統領は、イギリスの公共放送BBCが21日放送したインタビューで反転攻勢について「すべてが容易というわけではない。われわれはもっと大きく前進しようとしているが、現状では、望んでいるより小さい前進にとどまっている」と述べ、作戦が難航しているという認識を示しました。

ゼレンスキー大統領はその理由のひとつとして、ロシア軍が広い範囲に仕掛けた大量の地雷を挙げたということです。

そして「結果を急ぐ人、結果に期待しすぎる人がいる。あるいはハリウッド映画のような結果を求める人もいるが、ものごとは必ずしも映画のようにはならない」と述べました。

一方で「何としてでも反転攻勢は成功させる。われわれは確信している」と述べ、作戦の先行きに自信を示しています。

その上で、ウクライナを支援する欧米やアジアの国々に向けて「われわれの軍だけでなく、西側諸国の意欲を引き出すためにも、前進することが非常に重要だ」と述べ、反転攻勢を成功させる決意を強調しました。

また軍事侵攻で被害を受けた社会インフラの再建に向けた支援について「支援は、復興だけでなく、ウクライナの変革にもつながる」と述べ、各国に長期的な関与を呼びかけました。