東証プライム上場企業 120社が新たに女性取締役の登用を検討

今月ピークとなる上場企業の株主総会では、取締役会のジェンダーバランスに株主の厳しい目が向けられています。今月株主総会を開く東証プライム上場企業では、これまで女性取締役が1人もいなかった245社のおよそ半分が新たに女性取締役の登用を検討していることが分かりました。

今月株主総会を開く東証プライム上場企業でこれまで女性取締役が1人もいなかった245社を対象にNHKが調べたところ、半分にあたる120社が新たに女性取締役の登用を検討していることがわかりました。

このうち、114社は社外から弁護士や大学教授などを女性取締役として招くとしていて社内から女性取締役の登用を検討する企業は6社にとどまっています。

政府が今月決定した「女性版骨太の方針2023」では、東証プライム市場に上場する企業の役員について、2030年までに女性の比率を30%以上にすることを目指すとしていますが、社外から女性取締役を招くだけでなく社内からも登用できるよう女性幹部を育成する環境を整えることも課題となります。

初の女性取締役が就任した企業では

東京証券取引所のプライム市場に上場し、FXを手がける「マネーパートナーズグループ」では、今月、2005年の創業以来初めての女性取締役が就任しました。

取締役に就任した梶川理恵さんは、大手証券会社を経て17年前にこの会社に入社しました。

この企業では、2年前に業績が悪化したことをきっかけに年齢や性別、勤続年数を問わない実力重視の登用へと大きくかじを切りました。

この結果、梶川さんは、営業部門の責任者としての実績が評価され取締役に登用されました。

梶川さんは「一昔前は男性と同じ提案をしても相手にしてもらえないことが何回もあって残念に思っていた。仕事を任せてもらい、それを評価してもらえることでやりがいが増している。私自身も女性や若手社員を積極的に活用していきたい」と話しています。

福島秀治社長は「FX業界は競争相手も多く、生き残りを真剣に考えるほど、国籍や性別、年齢にこだわって能力を潰してはいけない。能力を発揮できる場や時間を提供できれば、結果的に私たちの業績もあがっていくと思う」と話しています。