奄美地方で線状降水帯発生 災害危険性急激に高まる 安全確保を

前線の活動が活発になり、鹿児島県奄美地方では非常に激しい雨が降り続き線状降水帯が発生したとして、気象庁は20日夜、「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

気象庁は、しばらくは土砂災害に厳重に警戒するとともに低い土地の浸水や川の増水にも警戒するよう呼びかけています。

鹿児島 瀬戸内町の住宅地を流れる川は

20日午後6時ごろ、鹿児島県瀬戸内町で住宅地を流れる川の様子を撮影した映像です。激しい音とともに、濁流が流れている様子が確認できます。

川の前にある宿泊施設を経営する40代の女性は「ふだんは流れが穏やかで、水位も足首くらいまでなのですが、きょうは水位が上がって流れが速くなっているうえ、ゴロゴロと川底を岩が動くような音も聞こえ、驚いています。今のところ大きな被害はありませんが、水位には注意したいと思います」と話していました。

夕方以降の雨量は

気象庁によりますと、暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、奄美地方では20日夕方以降、停滞する梅雨前線の活動が活発になり、雨雲が発達しました。

午後6時50分までの1時間にはいずれも鹿児島県が設置した雨量計で
▽大和村で102ミリの猛烈な雨を観測したほか
▽宇検村で74ミリの非常に激しい雨が降りました。

また、午後10時までの6時間にはいずれも鹿児島県が設置した雨量計で
▽大和村で333ミリ
▽宇検村で292ミリ
▽瀬戸内町で256ミリの雨を観測しました。

奄美地方では発達した積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」が発生して非常に激しい雨が同じ場所に降り続き、災害が発生する危険性が急激に高まったとして、気象庁は午後6時半すぎに「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

奄美地方の一部ではこれまでの雨で地盤が緩んで土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

気象庁は土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や川の増水に警戒するほか、落雷や突風にも注意を呼びかけています。

宇検村 田検校区の662世帯1131人に「避難指示」

鹿児島県の奄美大島にある宇検村は、午後6時25分に、田検校区の662世帯1131人を対象に「避難指示」を出しました。5段階の警戒レベルのうち、警戒レベル4にあたる情報で、危険な場所から全員避難するよう呼びかけています。