中国政府 台湾から輸入停止していた一部の果物 輸入再開

中国政府は、台湾から輸入を停止していた一部の果物について、20日から再開すると発表しました。中国に融和的な姿勢をとる台湾の最大野党の幹部らが中国政府の高官に輸入の早期再開を求めたばかりで、来年の台湾総統選挙を前に、経済交流の拡大が利益をもたらすとアピールするねらいがあるとみられます。

中国の税関当局は、台湾産のパイナップルなど複数の果物について、害虫が検出されたとして、おととしから輸入を停止していましたが、このうち一部の果物の輸入を20日から再開すると発表しました。

台湾メディアによりますと、中国に融和的な姿勢をとる台湾の最大野党・国民党の夏立言副主席と、今回、輸入再開の対象となった果物の産地である台東県のトップが中国を訪れ、18日、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室トップの宋涛主任に直接、輸入の早期再開を求めたということです。

国務院台湾事務弁公室の報道官は20日、国営メディアを通じてコメントを出し、国民党の夏副主席らが強く求めたとしたうえで「われわれは台湾の同胞を一貫して尊重し、利益をもたらす」と強調しました。

中国としては、来年1月の台湾総統選挙を前に、中国との経済交流の拡大が利益をもたらすとアピールするねらいがあるとみられます。