鳥インフルエンザ「清浄化宣言」ニワトリなど処分は過去最多に

過去最大の感染拡大となった鳥インフルエンザについて、日本国内の養鶏場などではウイルスが検出されなくなったことを示す「清浄化宣言」が国際機関のウェブサイトに掲載されたと農林水産省が発表しました。感染は各国で続いていて、農林水産省は秋以降のシーズンに備え、対策を徹底するよう呼びかけています。

鳥インフルエンザは去年10月からことし4月にかけて、26の道と県の84か所の養鶏場などで発生し、処分されたニワトリなどの数はおよそ1771万羽と過去最多となりました。

国内では4月7日に北海道千歳市の養鶏場で発生して以降、養鶏場などではウイルスが検出されておらず、農林水産省が提出した資料に基づいて19日、家畜の伝染病を監視している「国際獣疫事務局」のウェブサイトに「清浄化宣言」が掲載されました。

「清浄化宣言」は千歳市の養鶏場で防疫措置が終わってから一定の期間がたった先月13日を開始日としていて、農林水産省はこの日以降、国内の養鶏場などから鳥インフルエンザウイルスがなくなったことを示すとしています。

各国で感染続く “秋に向け対策徹底を”

鳥インフルエンザは、ヨーロッパや南米、それにアジアなどでも発生が続いていて、1年を通じて各国で感染が続く状況になっています。

日本国内には越冬する渡り鳥によってウイルスが持ち込まれるとされ、農林水産省は秋以降に、感染が拡大しないよう養鶏場の消毒などの対策を徹底するよう呼びかけています。

松野官房長官「次期シーズンへの備え 強力に進める」

松野官房長官は、午後の記者会見で「過去最多のおよそ1771万羽が殺処分となり、鶏卵の価格高騰の一因となるなど国民生活にも影響を与えたが、供給力の回復に向けた動きも出てきている」と述べました。

そのうえで、「今後、次期シーズンへの備えを強力に進めることとし、農場での衛生管理のさらなる徹底や分割管理の活用に向けた検討など、専門家や現場の意見も聞きながら発生予防対策などに取り組んでいく」と述べました。