海外投資家の国内証券取引所での株式売買額 先月 100兆円超に

海外投資家が5月、国内の証券取引所で株式を売買した金額は、100兆円を超えました。欧米との金融政策の違いなどを背景に、日本の株式市場に資金を振り向ける動きが強まり、売買が活発になっています。

東京証券取引所は毎月、海外投資家の日本株式の売買動向を公表しています。

それによりますと、5月、東京や名古屋などの国内4か所の取引所で海外投資家が株式を売買した金額は105兆円余りで、前の月から36%増えました。

また、海外投資家による株式の売買金額が100兆円を超えたのは去年3月以来です。

売買金額を海外投資家の地域別でみると、
▽「欧州」はおよそ80兆6800億円で前の月から34%増えたほか、
▽「アジア」は16兆2600億円余りで37%、
▽「北米」は8兆2300億円余りで54%、
いずれも前の月から増えています。

国内では欧米より遅れてコロナ禍からの経済回復が期待されているほか、欧米では金融引き締めが続き経済への影響が懸念される一方、日本では金融緩和策が維持されていることなどから、海外の投資家が日本の株式市場に資金を振り向ける動きが強まり、売買が活発になっています。

市場関係者は「去年3月に海外投資家の売買金額が100兆円を超えた時は、ロシアのウクライナ侵攻などが要因となった。今回は日本企業の変革への期待というポジティブな要因もあって、売買代金が増えている」と話しています。