タイタニック号を見に行く観光用潜水艇 消息絶つ 米などが捜索

111年前に大西洋で沈没した豪華客船、タイタニック号を、海底まで見に行く観光用の潜水艇が消息を絶ち、アメリカとカナダの沿岸警備隊などが捜索と救助にあたっています。

1912年、イギリスの豪華客船、タイタニック号は、アメリカに向けて航海中に大西洋で氷山に衝突して沈没し、およそ1500人が犠牲になりました。

水深およそ4000メートルの海底に眠っています。

このタイタニック号を潜水艇に乗って見に行く観光ツアーをアメリカの会社が行っていて、操縦士を含む5人が乗った潜水艇がカナダ東部を出発しましたが、今月18日午前、潜水艇が海中に潜ったあと連絡が取れなくなったということです。

イギリスの公共放送BBCなどによりますと、5人のうちの1人は58歳の実業家のイギリス人男性だということです。男性のものとみられるソーシャルメディアには、今回のツアーに参加するなどといった内容が投稿されていました。

またイギリスのテレビ局、スカイニュースなどは、乗っていた人の中に、潜水艇を運営しているアメリカの会社オーシャンゲート・エクスペディションズのCEOとフランス人の潜水艇の操縦士がいたとみられると報じています。

アメリカ東部ボストンの沿岸警備隊の担当者は19日午後の記者会見で、「現場はかなり遠く捜索を行うのは難しいが、救出できるようできることはすべてやる」と述べ、カナダの沿岸警備隊などとともに、航空機や船で捜索と救助にあたっていると明らかにしました。

参加費用は3500万円 緊急用の酸素も

ツアーを行っている会社のホームページによりますと、ツアーの参加費用は1人当たり25万ドル、日本円にしておよそ3500万円で、潜水艇には緊急用の酸素が積み込まれるなど、96時間生命を維持できる装置が備わっているということです。

潜水艇運営のアメリカの会社が声明

潜水艇を運営しているアメリカの会社、オーシャンゲート・エクスペディションズのホームページによりますと、ツアーは7泊8日の日程で行われていたということです。

ツアーにはこれまでに300人近くが参加しているということで、ホームページにはすでに来年のツアーの予定も掲載されています。

ツアーに使用する観光用の潜水艇「タイタン」は全長は6.7メートル、重さは1万キログラム余りで、最大で水深4000メートルまで潜ることが可能だとしています。

操縦士を含めて5人乗りの潜水艇だということで、緊急用の酸素が積み込まれているなど96時間生命を維持できる装置が備わっているということです。

オーシャンゲート・エクスペディションズは19日に声明を発表し、「乗組員を安全に連れ戻すためにあらゆる選択肢を模索している」としています。