ヨーロッパ 去年1年間の平均気温 産業革命前と比べ約2.3度上昇

ヨーロッパの去年1年間の平均気温は、フランスやイギリスなどで観測史上、最も暑くなり、産業革命前と比べおよそ2.3度高かったとする報告書をWMO=世界気象機関などがまとめました。ヨーロッパは世界で最も速く温暖化が進んでいる大陸だと警鐘を鳴らしています。

WMOとEU=ヨーロッパ連合の気象情報機関が、19日に発表した報告書は去年1年間のヨーロッパの平均気温が、産業革命前と比べおよそ2.3度高くなり「1980年代以降、ヨーロッパは世界の平均よりも2倍の速さで暖かくなっている」と指摘しました。

このうちフランスやイギリスなど少なくとも10か国で観測史上、最も暑くなったとしています。

国際社会は世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ、1.5度に抑えることを目指していますが、去年のヨーロッパは上回ったことになります。

また、干ばつでスペインでは7月に、国全体の貯水量が4割ほどにまで減ったほか、熱波の影響などでヨーロッパ全体では1万6000人以上が亡くなったとみられるとし、今後、干ばつや熱波などはより頻度が増え、激しくなるとして警鐘を鳴らしています。

一方で、去年の風力と太陽光の発電の合計は、石炭や天然ガスの発電量をいずれも上回ったとしていて、WMOは、化石燃料への依存を減らすためにも再生可能エネルギーなどの利用を増やすことが欠かせないと訴えています。