韓国 日本産の魚介類の輸入量 前年比2か月連続で減少

韓国で、日本産の魚介類の輸入量が、2か月連続で前の年と比べて減少しています。地元メディアは、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を海に放出するための準備が進む中で、国民の不安が高まっていることが影響しているのではないかと伝えていて、韓国政府が不安を払拭(ふっしょく)するための取り組みに力を入れています。

韓国の関税庁によりますと、日本産の魚介類の輸入量は、5月は2129トンで、前の年の同じ時期より、およそ30%減少しました。

4月の輸入量も1736トンと、前の年よりおよそ26%減少しています。

韓国国内では、東京電力福島第一原子力発電所でたまる処理水を、基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐって、水産物への影響を懸念する声が根強くあり、韓国の通信社、連合ニュースは、放出のための準備が進む中で、国民の不安が高まっていることが魚介類の輸入に影響しているのではないかと伝えています。

処理水をめぐっては、日本政府が5月に韓国の専門家による視察団を受け入れ、韓国政府も6月15日から、週末を除いて毎日記者会見を開き、情報提供を行うなど、不安を払拭するための取り組みに力を入れています。

韓国のスーパーなど 「塩」の品切れも

韓国のスーパーなどでは、塩が品切れとなる店も出ています。

このうち、ソウル市内のスーパーでは、海水を天日で干した塩を中心に、先週から品切れ状態が続いているということです。

このスーパーの店員は、処理水の放出を前に、不安を感じた客が、今のうちに塩を確保しておこうとしているのではないかと指摘したうえで、「今後、キムチを漬ける季節が近づく中で、特に天日で干した塩の需要が増えることになるが、供給がまともにできなくなると大変なことになるだろう」と話しています。

一方、韓国政府は、塩の「買いだめ」のような事態は起きていないとしたうえで、原発事故以降、塩の検査を300回近く行っているものの、放射性物質は検出されていないと主張し、韓国産の塩の安全性を強調しています。