天皇皇后両陛下 日本にゆかりのインドネシアの人たちと懇談

インドネシアを訪れている天皇皇后両陛下は19日、ジョコ大統領夫妻と会見したほか、日本とゆかりのあるインドネシアの人たちと懇談されました。

両陛下は19日、首都ジャカルタ近郊にある大統領宮殿での歓迎行事などに続いて、ジョコ大統領夫妻の案内で隣接する植物園を見て回られました。

そして報道陣の前で、大統領が両陛下の訪問に感謝を伝えると、天皇陛下は「貴国の多様性に満ちた社会、文化について理解を深めるとともに、インドネシアの歴史、そしてまた両国間の友好親善の増進に今まで尽くしてこられた方々の歴史にも思いをはせたいと思っております」などと話されました。

続いて大統領宮殿で、天皇陛下は大統領と、皇后さまは大統領夫人と、それぞれ会見してから大統領夫妻が主催する「午さん会」に出席されました。

天皇陛下と大統領の会見では、植物園に移動する際、ジョコ大統領が運転するゴルフカートに乗車したことに話題が及び、天皇陛下が「初めて乗って大変おもしろかったです」と述べられると、大統領は「これまでも賓客をお乗せしたが、きょうが今までで一番緊張しました」と応じたということです。

さらに両陛下は18日夜に宿泊先のホテルで、日本に留学した人などゆかりのあるインドネシア人およそ60人と懇談されました。

この中には、太平洋戦争のあとも現地にとどまって独立戦争に加わった、いわゆる「残留日本兵」の子孫もいて、天皇陛下は「大変ご苦労さまでしたね」と話しかけられました。

また皇后さまは「両国の友好関係のために頑張ってくれてありがとうございます」と話されていました。

両陛下は20日午前、「残留日本兵」も埋葬されているジャカルタ郊外の「カリバタ英雄墓地」を訪ねられます。

両陛下と面会した「残留日本兵」の2世は

いわゆる「残留日本兵」の2世、ヘル・サントソさん(63)は、19日夜に両陛下と懇談したあと取材に応じました。

ヘルさんは「感無量です。両陛下からは残留日本兵の話に触れて、友好親善関係を深める活動に感謝しますというおことばを頂戴しました。天国の残留日本兵がいちばん喜んでいると思います」と語りました。

19日に両陛下がヘルさんの父親ら「残留日本兵」も埋葬されている「カリバタ英雄墓地」を訪ねられることについては「誇りと感謝の気持ちでいっぱいです。両国民の深い関係を目指すとともに、心と心のふれあいで友好親善の活動を継続していきたいです」と話していました。