国際

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(20日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる20日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ軍の反転攻勢 激しい地上戦続く

ウクライナ軍は領土奪還を目指し、東部や南部で反転攻勢を続けています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は19日「ウクライナ軍は前線の少なくとも3つの地域で反撃作戦を実施し、戦果を収めた」として、東部ドネツク州のバフムト周辺や南部ザポリージャ州で部隊の前進があったと分析しています。

一方、ウクライナ軍のザルジニー総司令官はSNSで激戦地を視察したとする映像とともに「ウクライナ軍の前進を阻止しようとロシア軍は地雷原を密集させ、要塞を構築している」として防衛線を築いて守りを固めていると警戒感を示しました。

ウクライナ国防省のマリャル次官も20日、SNSで「敵は攻撃を止めるためにあらゆる手を尽くし、ウクライナの部隊が前進することは非常に困難だ」としたうえで、「われわれの軍が南部方面で前進しているのをよそに敵は東部に力を集中し、前進している」としていて、激しい地上戦が続いているとみられます。

「ロシア軍が無人機攻撃 35機中32機撃墜」ウクライナ空軍

ウクライナ空軍は20日「夜間、ロシア軍がイラン製の無人機35機で攻撃を仕掛け、32機を撃墜した。主な攻撃目標はキーウ州だった」と発表しました。

また西部リビウ州の当局者は、無人機による攻撃をうけ、インフラ施設が被害を受けたとSNSで明らかにしました。

ロシア軍は、ミサイルや無人機による空からの攻撃も続けていて、首都など前線から離れた地域の対空防衛への負担を増やすことで南部や東部で反転攻勢を進めるウクライナ側に対抗するねらいもあるとみられます。

日本政府 ダム決壊受けウクライナに500万ドルの緊急無償資金協力

ウクライナのダム決壊による洪水被害の拡大を受けて、政府は、国際機関を通じて500万ドルの緊急無償資金協力を行い、食料や飲み水を供与することなどを決めました。

これは、松野官房長官が閣議のあとの記者会見で明らかにしました。

それによりますと、日本政府は、ウクライナ南部のダムの決壊による洪水被害で影響を受ける住民に対し、500万ドルの緊急無償資金協力を行うとしています。

具体的には、WFP=世界食糧計画や、UNICEF=国連児童基金などの国際機関を通じて食料や飲み水を供与するほか、衛生・保健分野などの支援を実施するということです。

松野官房長官は、今回の日本の支援について「ウクライナ政府から非常に緊急性が高いとして、強い支援要請があったもので、可能なかぎり早期に開始すべく必要な作業を行っている。引き続き、ウクライナのニーズを踏まえ人々に寄り添った支援を実施していく」と述べました。

ウクライナ反転攻勢「8集落奪還」の一方で東部は「状況困難」

ウクライナ国防省のマリャル次官は、19日にこの2週間で東部ドネツク州のマカリウカや南部ザポリージャ州のピャチハトキなど8つの集落を奪還したと発表し、成果を強調しました。

ウクライナ軍の部隊が公開したピャチハトキだとする映像には、ウクライナの国旗を掲げる兵士たちの姿がうつされています。

一方で、マリャル次官はロシア軍が精鋭の空てい部隊などかなりの兵力を東部ドネツク州などに集中させ激しい戦闘が続いていると指摘し「東部の状況は困難だ」として危機感を示しました。

これに対し、ロシア国防省は19日にドネツク州で最も多くの攻撃があったとした上で、空爆や砲撃でウクライナ軍を撃退したと主張していて、東部で激しい攻防が続いているとみられます。

ゼレンスキー大統領 英スナク首相と電話会談

ゼレンスキー大統領とイギリスのスナク首相が19日に電話会談をしました。

ウクライナ大統領府は、電話会談で両首脳が射程の長い兵器を通じたウクライナ軍のさらなる戦闘能力の拡大に向けて協議したとしています。

ゼレンスキー大統領はイギリスから供与された、射程が250キロ以上の高精度の巡航ミサイルが前線で成果をあげているという認識を示していて、今後、追加の供与があるかが焦点となります。

ゼレンスキー大統領 成果強調「私たちに失われた陣地はない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、新たに動画を公開し「私たちの兵士は、一部の地域では前進し、一部の地域では陣地を守り激化する占領者からの攻撃に抵抗している」と述べ、激しい攻防が続いていることを示唆しました。

その上で「私たちに失われた陣地はない。あるのは解放したところのみだ。ロシアは失っているだけだ」と述べ、反転攻勢の成果を強調しました。

ダム決壊「ロシア支配地域で国連の活動が拒否」

ウクライナ南部でダムが決壊し洪水の被害が拡大していることについて、国連は18日の声明で「これまでのところロシア政府が支配する地域では国連の活動が拒否されている」と明らかにしました。

声明では「必要な支援は拒絶されてはならない」として、ロシア側に対し、国際人道法に基づき国連の支援を受け入れるよう求めました。

国連のハク副報道官も19日の定例会見で「誰が支配しているかに関係なく、私たちはウクライナのすべての地域に行く用意がある」と強調し、支援を行うためロシア側と協議を続けているとしています。

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は19日に「砲撃や挑発が続いていて、安全を確保するのが非常に難しい」と述べ、ウクライナ軍による攻撃が原因だと主張しました。

ダムが決壊したことによる被害について南部ヘルソン州の親ロシア派の幹部は18日、ロシア側の支配地域で35人が死亡したとしています。

また、ウクライナ内務省は19日、これまでに18人の市民が死亡し、さらに31人の行方が依然としてわかっていないとした上で、ロシア側が砲撃を続ける中でも支援活動を行っていると強調しました。

林外相 ウクライナ復興に関する会議出席 きょうイギリスへ出発

イギリスで開かれるウクライナの復興に関する会議に出席するため、林外務大臣は20日、日本を出発します。民間企業の投資の促進を含め、日本の得意分野を生かしながら、官民が連携して貢献する姿勢を示すことにしています。

林外務大臣は20日から5日間の日程で、イギリスのロンドンとフランスのパリを訪問します。

イギリスでは、ウクライナの復興に関する会議に出席し、民間企業の投資の促進を含め、インフラの再建や地雷除去といった日本の得意分野を生かしながら、官民が連携して復興に貢献する姿勢を示すことにしています。

また、アメリカのブリンケン国務長官の中国訪問を踏まえ、会議にあわせて、G7=主要7か国の外相が、中国の最新情勢を共有し、今後の対応を協議する方向で調整が進められています。

続いて訪れるフランスでは、途上国への開発資金協力を検討する会議に出席することにしています。

会議には、マクロン大統領やブラジルのルーラ大統領らも参加する予定だということで、国際社会全体で、持続可能な開発目標=SDGsを達成する方策について意見が交わされる見通しです。

林大臣としては、気候変動やエネルギー問題などをめぐる日本の取り組みなどを説明し、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国との関係強化を図りたい考えです。

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