ウクライナ軍“2週間で8集落奪還” ロシアも精鋭部隊転戦か

ウクライナ軍は、反転攻勢が本格化したこの2週間で、南部ザポリージャ州などで8つの集落を奪還したと成果を強調しました。
一方、ロシア国防省もザポリージャ州で最も戦闘が激しくなっていることを認め、ロシア側が精鋭の部隊を転戦させているという見方が出ています。

ウクライナ国防省のマリャル次官は、南部ザポリージャ州のピャチハトキなど8つの集落をこの2週間で奪還したと、19日、SNSに投稿し、成果を強調しました。

また、現地の親ロシア派の幹部は、ピャチハトキがウクライナ側に奪還されたとしているほか、ロシア国防省も「最も激しい戦闘が続いているのはザポリージャ州だ」と認め、激しい攻防が行われているもようです。

イギリス国防省は、19日の分析で「過去10日間、ロシアはザポリージャ州と東部ドネツク州のバフムトを強化するため、ドニプロ川の東岸地域から部隊の移転を開始した可能性が高い」として、ロシア側が南部ヘルソン州に展開していた精鋭の空てい部隊など、数千人規模の兵士を転戦させている可能性があると指摘しました。

ヘルソン州では、今月ダムが決壊し洪水の被害が拡大したことから、ロシア側は、この地域でウクライナ軍が大規模な反転攻勢にのりだす可能性は低いと判断し、反転攻勢の激戦地となったザポリージャ州などに部隊を移しているという見方を、イギリス国防省は示しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍がドネツク州やザポリージャ州の少なくとも4つの地域で反撃を続け、限定的な領土奪還を果たしたという分析を、18日に示しました。

一方で、「ウクライナ軍は今後の作戦に向けた戦術を見直すため、反撃作戦を一時的に停止している可能性がある」として、ウクライナ側が、今後の主要な作戦の展開をにらみ、一時的に部隊の進軍を抑制している可能性を指摘しています。