架空経費計上で1億9000万円余脱税か 都内の建設会社2社を告発

水道管の補修工事や建設現場の残土処理などを請け負っていた都内の建設会社など2社が、架空の経費を計上する手口で合わせて法人税1億9000万円余りを脱税したなどとして、東京国税局から告発されました。

告発されたのは、いずれも葛飾区にある建設会社「秀和建設工業」と、「中村建設工業」、それに「秀和建設工業」の中村秀美代表(62)です。

関係者によりますと、秀和建設工業は、東京都水道局が発注する水道管の補修工事などのほか、東京オリンピック・パラリンピック関連の建設残土の処理などを請け負っていましたが、「中村建設工業」との間で互いに架空の事業を発注したように見せかけ、所得を少なく見せかけた疑いがあるということです。

東京国税局査察部は、おととしまでの3年余りに、2社が合わせておよそ7億7700万円の所得を隠し、法人税およそ1億9200万円と、消費税合わせておよそ8100万円を脱税した疑いで、2社と中村代表を東京地方検察庁に告発しました。

関係者によりますと、中村代表は不正に得た資金を自宅や貸金庫で現金のまま保管するなどしていたということです。

NHKの取材に対し、2つの会社と中村代表の代理人の弁護士は「国税の指摘に従って修正申告と納税を済ませています。十分反省し、2度とこのような事件を起こさないよう経理体制などの整備に努めております」とコメントしています。