G7の交通相会合は18日午前、閣僚レベルの2日目の討議が行われ、一連の会議の成果を共同声明としてとりまとめました。
声明では、植物や廃油を原料とする次世代の航空燃料「SAF」について、従来のジェット燃料と比べて温室効果ガスの排出量の過半数を削減できるような、厳しい基準を満たす燃料が利用されるよう連携して取り組むとしています。
G7交通相会合閉幕 共同声明採択 “交通分野の脱炭素に連携”
三重県志摩市で開かれていたG7=主要7か国の交通相会合が閉幕し、二酸化炭素の削減効果が高い次世代の航空燃料の導入を促すなど、交通分野の脱炭素に連携して取り組むことなどを盛り込んだ共同声明を採択しました。


G7として温室効果ガスの削減効果が高い次世代の燃料の普及を促し、交通分野の脱炭素に率先して取り組む姿勢を示した形です。
また17日、対面で参加したウクライナの担当相との議論を踏まえ、声明では、G7がウクライナの交通インフラの復旧支援に連携して取り組むことを確認したとしています。
さらに、ウクライナ侵攻をきっかけに、世界的に交通や物流が混乱したことを受けて、物資を輸送するサプライチェーン=供給網の強化に向けた作業部会の設立を検討するとしています。
このほか、交通機関のバリアフリーを連携して進めるため、各国の政策や先進的な取り組みを共有するために、事務レベルの会合を開催することでも合意しました。
斉藤国交相「日本のような技術立国が頑張らねばならない分野」

G7=主要7か国の交通相会合の閉幕後、議長を務めた斉藤国土交通大臣は記者会見で、「各国と一層の関係強化をはかることができたほか、日本の魅力や交通分野での先進的な取り組みを発信することもできた。今回の会合の成果を、未来の交通のさらなる発展につなげていきたい」と述べました。
また、今回の会議で焦点の1つとなった、航空分野の脱炭素に向けた対策について、「各大臣の率直な感想としてこの航空部門が最も難しいという認識を示す人もいた。技術的にも大変な困難さがあるがだからこそ日本のような技術立国が頑張らねばならない分野だと思う。より環境負荷が低く、質の高いSAFの導入を促進していきたい」と述べました。
斉藤大臣は、ウクライナのクブラコフ副首相兼インフラ相と18日午前、非公開で会談した内容を明らかにし、「どのような支援ができるか、意見交換を行った。私からは、重要なインフラであるダムの復旧について、日本の知見を生かした技術的な協力を行う準備があると伝えた」と述べました。
クブラコフ副首相からは、「インフラの復旧にあたり、日本のノウハウに関心をもっており、詳しく学びたい」という発言があったということです。