グラミー賞「受賞対象は人間のクリエーターのみ」AIは対象外

ChatGPTなど生成AIが急速に普及する中、アメリカ音楽界で最高の栄誉とされるグラミー賞の主催団体は、受賞の対象となるのは人間のクリエーターのみだとする新たなルールを発表しました。

これは、来年のグラミー賞に向けて主催団体が16日、明らかにしたものです。

新たなルールでは「受賞の対象となるのは、人間のクリエーターのみであり人間の作者を含まない作品はいかなる部門でも対象外とする」などと明記しています。

主催団体のハーベイ・メイソン・ジュニアCEOは、今後の音楽作りにAIは必ず関わってくるため、早めに手を打つことが重要だとしてルールを打ち出した意義を説明しました。

そのうえで「現時点では、AIによる音声や演奏が含まれる作品の提出も受け付けるものの、賞は人間のみに与えられる。作詞作曲などの分野では大部分が人間による楽曲でなければならない」と強調しています。

音楽業界の生成AIをめぐっては元ビートルズのポール・マッカートニーさんが、AIを使って未完成だったビートルズの最後の曲を完成させると明らかにするなど活用が広がっています。

一方で、AIが作成した曲は既存の作品を元にしており、著作権の侵害にあたるとして、音楽大手ユニバーサル・ミュージック・グループが、音楽配信サービスのスポティファイなどにAIが作成した楽曲を取り下げるよう要請するなど問題も起きています。