プーチン大統領 ウクライナが求めるF16戦闘機巡りNATOをけん制

領土の奪還を目指してウクライナ軍が反転攻勢を進める中、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナに供与された戦車を相次ぎ破壊していると主張したうえで、ウクライナが求めているF16戦闘機を巡ってNATO=北大西洋条約機構をけん制しました。

ウクライナ軍は東部ドネツク州や南部ザポリージャ州で反転攻勢を進めています。

マリャル国防次官は16日、SNSで「南部では戦術的な成功を収め徐々に前進している」とアピールした一方、ロシア軍の航空戦力が優勢な中、攻防が激しくなっていると明らかにしました。

戦況を分析しているイギリス国防省は17日、ウクライナ南部でロシア軍は攻撃用ヘリコプターの部隊を強化し、前線から100キロほど離れた、アゾフ海に面したベルジャンシクの空港に20機以上のヘリコプターが追加配備されたという見方を示しました。

そのうえで「南部ではロシア軍が一時的に優位に立っているとみられる」と分析しています。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は16日、サンクトペテルブルクで開かれた国際会議の中で、ウクライナの反転攻勢を撃退し、ドイツ製の戦車を相次ぎ破壊していると主張しました。

そして、ウクライナが欧米に求めているF16戦闘機も同様に破壊するとしたうえで「仮にウクライナ国外の基地に配備され戦闘に使われた場合、これをどこでどのように破壊するか検討せざるをえない。NATOを紛争にさらに引きずり込む深刻な危険性をはらんでいる」と述べ、NATOをけん制しました。

プーチン大統領は17日、日本時間の17日夜、前の日にウクライナを訪問した南アフリカなどアフリカの7か国の首脳らとサンクトペテルブルクで会談する予定で、ウクライナ情勢をめぐって意見を交わすものとみられます。