ブリンケン米国務長官 北京へ出発 中国高官と会談へ

アメリカのブリンケン国務長官は、中国の高官と会談するため、北京に向けて出発しました。バイデン政権の閣僚が中国を訪問するのは初めてで、米中関係の悪化に歯止めをかけることができるのかが焦点です。

アメリカのブリンケン国務長官は日本時間の17日正午ごろ、首都ワシントン近郊の空軍基地を出発し、中国の首都・北京に向かいました。

バイデン政権の閣僚が中国を訪問するのは初めてで、ブリンケン長官は18日、北京に到着し、19日までの2日間、現地に滞在する予定です。

米中両政府はブリンケン長官の詳しい予定を明らかにしていませんが、秦剛外相や外交を統括する王毅政治局委員との会談が行われる見通しとなっているほか、習近平国家主席との会談に向けた調整も行われているものとみられます。

一連の会談では、米中関係や台湾、それにウクライナ情勢について意見が交わされる見通しです。

ブリンケン長官は出発前の16日、記者会見で今回の訪問について「米中が責任を持って両国関係を管理できるよう意思疎通のルートを確立する」と強調しました。

ブリンケン長官の中国訪問は当初、ことし2月に予定されていましたが、中国の気球がアメリカ上空を飛行した問題で延期されており、今回の訪問をきっかけに、米中関係の悪化に歯止めをかけることができるのかが焦点です。

バイデン政権 中国との関係は「デリスキング」

バイデン政権は中国との関係について、先端技術などでの結びつきを切り離す「デカップリング」ではなく、経済関係を維持しながら中国との間で抱えるリスクを減らしていく「デリスキング」という表現を最近、使うようになっています。

これについて、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補日、都内でNHKなど一部メディアの取材に応じ「アメリカの政策の変更を反映しているのではない」と強調しました。

そして「『デリスキング』という表現は、G7広島サミットの首脳宣言に採用されたことが示すとおり、ヨーロッパ諸国とアメリカの政策が収れんした結果だ」と説明しました。

そのうえで中国への輸出を厳しく規制する分野を一部の先端技術などに限定し、それ以外の分野では経済活動を続ける考え方は「不変だ」として「米中の間での広い範囲におよぶ経済交流は続くことになるだろう」と述べました。