
岸田内閣に対する不信任決議案 反対多数で否決 衆院本会議
立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案は、衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。
立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案は、午後の衆議院本会議で審議が行われました。
立憲民主党の泉代表は「13か月連続で実質賃金が下がり物価高の局面で、岸田内閣は、子育てや教育、農業などの予算を圧迫して、防衛費の確保だけを優先させ、日本の将来を危うくしている。異常な政権運営を続けた岸田総理大臣が政権を担う資格がないのは明白で、速やかに退陣すべきだ」と述べ、賛同を呼びかけました。
これに対し、自民党の伊藤元金融担当大臣は「会期末の慣例行事のごとく、内閣不信任決議案を提出する立憲民主党は、国民に目を向けているのか甚だ疑問だ。岸田内閣は常に国民の不安に寄り添い、政策を着実に進め、結果を出していて、不信任に値するとの批判は全く当たらない」と反論しました。
このあと記名投票による採決が行われ、立憲民主党と共産党などは不信任案に賛成しましたが、自民・公明両党に加え、日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。れいわ新選組などは棄権しました。
野党側は、去年の通常国会に続いて対応が分かれる結果となりました。
首相「政策をしっかり実行していきたいと考えている」
岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際に記者団に対し「本日、立憲民主党から提出された内閣不信任案は、自民、公明、維新、国民民主の4党の反対多数で否決してもらった。今、子ども子育て戦略や新しい資本主義の実行計画、それに骨太の方針の具体化、実行のフェーズを迎えている。岸田内閣として、こうした政策をしっかり実行していきたいと考えている」と述べました。
自民 遠藤総務会長「『なんでこの時期に』というのはある」
自民党の遠藤総務会長は、記者会見で「提出は当然の権利だが、同じ野党でも同調する党が少なく『なんでこの時期に』というのはある。内閣を倒す覚悟まであったのかどうか疑問を感じざるを得ず、粛々と否決させてもらった」と述べました。
また、岸田総理大臣が今の国会で衆議院の解散を行わない考えを示したことについて「解散しないという表明まで必要だったのかという気もするが、少なくとも自分の思いを明らかにし、一つ一つの課題について、今後もしっかり解決のため努力していきたいという意思表示だったと受け止めている」と述べました。
また、岸田総理大臣が今の国会で衆議院の解散を行わない考えを示したことについて「解散しないという表明まで必要だったのかという気もするが、少なくとも自分の思いを明らかにし、一つ一つの課題について、今後もしっかり解決のため努力していきたいという意思表示だったと受け止めている」と述べました。
立民 泉代表「今の岸田政権の問題点を発信・共有できた」
立憲民主党の泉代表は、記者団に対し「残念ながら否決されたが、国民に今の岸田政権の問題点を発信し共有できた。国民生活よりも防衛費に予算をまわし、防衛増税や社会保険料で国民負担を高める岸田政権を続けさせてはならない」と述べました。
また、日本維新の会と国民民主党が内閣不信任決議案に反対したことについて「岸田政権を信任したことになる。不信任決議案の提出を年中行事と批判する人たちは、国会のルールも重要性も理解していない。国会での代表質問や法案の採決、議員立法の法案の提出もやめたらいい」と述べました。
また、日本維新の会と国民民主党が内閣不信任決議案に反対したことについて「岸田政権を信任したことになる。不信任決議案の提出を年中行事と批判する人たちは、国会のルールも重要性も理解していない。国会での代表質問や法案の採決、議員立法の法案の提出もやめたらいい」と述べました。
維新 馬場代表“どうせ否決 できればやめてほしいが本音”
内閣不信任決議案に反対した日本維新の会の馬場代表は、記者会見で「夏になれば盆踊りをするように、前例や慣例として不信任決議案を出すことは、逆に国会から緊張感を奪っていく。どうせ否決されることに時間を費やしても何の生産性もなく、できればやめてほしいというのが本音だ」と述べました。
そのうえで「岸田内閣の全てを否定しているわけでも肯定しているわけでもないが、現状はわが党と違う方向性になっている。新しい政策の実行や行政サービスの提供のために国民に負担をお願いすることは二の次であり、まずは国会議員が『身を切る改革』をやるべきだ」と述べました。
そのうえで「岸田内閣の全てを否定しているわけでも肯定しているわけでもないが、現状はわが党と違う方向性になっている。新しい政策の実行や行政サービスの提供のために国民に負担をお願いすることは二の次であり、まずは国会議員が『身を切る改革』をやるべきだ」と述べました。
公明 石井幹事長「迫力あるものでないと国民に評価されず」
公明党の石井幹事長は、記者団に対し「岸田政権は、内外の課題に対して、しっかりと取り組みを進めており、立憲民主党の指摘は全く当たらない。会期末恒例の年中行事的な提出で、国民の支持は低く、否決は当然の結果だ。不信任決議案を出すのであれば政府・与党をしっかりと解散に追い込めるような、迫力のあるものでないと国民には評価されない」と述べました。
共産 志位委員長“岸田政権には多数の批判の声がある”
共産党の志位委員長は記者団に「国会での力関係では否決という結果になるが、岸田政権は、大軍拡やマイナンバーカードなど、あらゆる問題で行き詰まっていて、多数の批判の声がある。解散・総選挙に追い詰めたい」と述べました。
また、日本維新の会と国民民主党が内閣不信任決議案に反対したことについて「与党だという宣言だ。次の総選挙では、岸田政権の強権ぶりに対する審判とともに、悪い法律を次から次へと成立させてきた自民・公明・維新・国民の4党連合に対する審判も下されなければならない」と述べました。
また、日本維新の会と国民民主党が内閣不信任決議案に反対したことについて「与党だという宣言だ。次の総選挙では、岸田政権の強権ぶりに対する審判とともに、悪い法律を次から次へと成立させてきた自民・公明・維新・国民の4党連合に対する審判も下されなければならない」と述べました。
国民 玉木代表「野党全体をまとめる努力するべき」
内閣不信任決議案に反対した国民民主党の玉木代表は記者団に「内閣を信任したという批判は甘んじて受けるが、近年、漫然と行われている会期末の不信任決議案の提出には反対だ。出すのであれば、野党第一党は、ほかの野党にも丁寧に説明して働きかけ、野党全体をまとめる努力をするべきだ」と述べました。