クレディセゾンの株主 「スルガ銀行」の株式取得中止求め提訴

クレジットカード大手「クレディセゾン」と、静岡県に本店を置く「スルガ銀行」との資本・業務提携について、クレディセゾンの株主が「回復できない損害が生じるおそれがある」と主張して、経営陣に対し、スルガ銀行の株式を取得させないよう求める訴えを起こしました。

「クレディセゾン」は「スルガ銀行」と、ことし5月に資本・業務提携を結び、今後、およそ170億円を投じて「スルガ銀行」の株式の15.7%を取得し、持ち分法が適用される関連会社とするとともに、クレジットカードの会員などに向けて、幅広い金融サービスを提供するほか、住宅ローン事業でも連携するとしています。

この提携について、クレディセゾンの株主1人が「不正融資問題を抱えるスルガ銀行の株式を著しく高値で取得しようとしていて、回復できない財産的な損害が生じるおそれがある」と主張し、会社の代表取締役3人に対して、株式を取得させないよう求める訴えを15日、東京地方裁判所に起こしました。

「スルガ銀行」は、シェアハウスなど投資用不動産向けの融資で、多くの不正が明らかになり、2018年に金融庁から業務の一部停止命令を受けています。

原告の男性「被害者の存在を無視している」

原告で、みずからも不正融資問題の被害を受けたという男性は、「問題が解決していないのに、なぜ提携するのか納得できず、憤りを感じる。被害者の存在を無視している」と話しています。

クレディセゾン「適切に対応」

クレディセゾンは「訴状が届きしだい、内容を確認のうえ、適切に対応します」としています。