中国 5月の主要経済統計 景気の回復鈍化 雇用への不安も広がる

中国の5月の工業生産は去年の同じ月と比べて3%余りのプラスにとどまり、景気回復の勢いが鈍くなる中、若い世代の失業率もこれまでで最も高くなるなど、雇用への不安も広がっています。

中国の国家統計局は15日、先月の主要な経済統計を発表しました。

このうち、工業生産は新型コロナウイルスの影響が広がっていた去年の同じ月と比べると増加したものの、3.5%のプラスと低い伸び率にとどまりました。

これは、不動産の低迷が続くなど内需が振るわなかったほか、海外経済の減速の影響で輸出も減少したことが主な要因とみられます。

消費の動向を示す「小売業の売上高」は、去年の同じ月と比べて12.7%のプラスと、飲食業などを中心に大幅なプラスとなった一方、前の月から伸び率は5.7ポイント縮小しました。

景気回復の勢いが鈍くなる中、都市部の16歳から24歳までの失業率は20.8%と、同じ形式で統計が公表されている2018年以降で最も高い水準を更新し、雇用への不安も広がっています。

中国では中央銀行が15日、銀行向けの金利の1つを引き下げたことから、市場では事実上の政策金利を引き下げる追加の金融緩和を行うという見方が強まっていて、政府がどのように景気を下支えするのかが焦点となっています。